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奇異なる日本のValentine’s Day

気象庁によるとバレンタインデー前日の金曜日の強風は春一番であったとの事だが、確か一昨年も春一番はこのバレンタインデーではなかったかと記憶している。

春一番は兎も角、さてこのバレンタインデー、今年は土曜日という事で義理系の商戦が不安視されてはいたもののその品にかける予算平均額はアップと不況知らずの様相を呈していたらしい。

今年は目に留まったところでミントンの容器に入ったバブリーなモノもあったが、あと面白いと思ったところで「グリーン電力証書」なる物が付いたチョコレートや、西洋銀座などではフェアトレードチョコレートを展開と人に地球に優しくとやはり今の時世を感じさせるものありと様々。

そういえば今年の商戦では男性から女性へプレゼントする所謂「逆チョコ」なるものも登場し提議の変化とか大袈裟に言われていたが、そもそも欧州等でバレンタインデーといえばお互いに思い思いの品を交換したりするのが普通で寧ろこの日本独特の習慣は以前からかなり奇異に見られていたのが事実。さて、次第にこの辺も国際標準の道を歩むのであろうか?


繋がらない各論

今週は週初に日本商品先物振興協会が制度政策委員会にて市場振興策と会員の経営活性化、市場の活性化などを骨子とする09年度の事業計画案をまとめた。

まあ、関係各所で各論ではいろいろと使い古した案が出てはいる模様であるが、例えば活性化策では市場参加者の取引費用低減策が示される一方ではTOCOMなど定率会費の引き上げをチラつかせるなど、依然として各所内での論議羅列の先にその脈絡を見出せないのは構造的ないつものパターン。

取引所といえばこの祭日前にも東穀取が一年間取引が無い生糸先物の上場休止を検討とあったがこの期に及んで「休止」とのたまうあたりも或る意味凄いし、また同日再生鉄も納会を迎えたがキャンペーンも空しく何時も通りの参加者不在納会とこちらも何とも荒涼とした感ありと、最近ではこの衰退論も何が最初にありきという順番もどうとでも取れるような状況となっている。

さて戻って上記の商品先物振興協会にしてもこの辺の核心については既に先週カウボーイが触れている通りであるが、この靄が掛かったようなモラトリアムの中、年明け早々に書いたように業界のみで自由裁量が利く時間もさてどれほど残されているのだろうか。


醒めないMAGIC

さて、先週は内定取り消しやら何やらで一頃晒し者になってしまった日本綜合地所がとうとう2,000億以上の負債で破綻の道を辿るハメになってしまったが、こうしたモノが出る一方で先週末の日経紙一面に出ていたようにオリエンタルランドなどは09年3月期の連結決算で純利益が過去最高になった模様である。

もともと同社は昨年から度々上方修正をい繰り返すなど一般とは全く逆の優等生ぶりを見せ付けて来たが、最近の景気後退の中で所謂レジャーの「安近短」傾向が追い風になったと見られている模様である。

まあ上記は額面通りには受け取れないもののTDL周辺については度々当欄で触れて来たが、古くを辿ればバブル崩壊期でもへこまず100年に一度の危機でも最高益とはそれこそMAGIC、考えてみればここ数年に亘ってレンジ内での動きを続けている管理相場のような同社株価には正直つまらなさを感じる事もあったが、まあ外部環境に左右されないというのもやはり特異でもある。

先に25thアニバーサリーに触れた時に「〜シンプルな発想ながら絶え無き仕掛けとその実現にはいつも敬服させられる〜」と書いたが、もう一つの強みはやはりキャストの教育であろうか。この辺は以前に直営ホテルへ宿泊した時にこれは凄いなと敬服した出来事が幾つもあったが、或る面ココの人材教育に似たようなエッセンスを持っていたのが2/5付けで書いたマハラジャであったが、さすがにそのマジックの規模が違った。


マハラジャに見たマーケティング

このところ街もこの時期バレンタイン一色になってきたが、ヒルトンなどでは「バブル期を思い出して」と宿泊券付きのチョコを売り出している。

さて、バブルといえば昨年の秋には「夜に見る世相と経済」というタイトルであの「ジュリアナ東京」を一晩だけ復活させるイベントについて触れた事があったが、先週末には同イベントの「マハラジャ」版が行われた模様だ。
こちらの方には行かなかったが前のジュリアナの時に書いたようにバブルを謳うならやはりジュリアナ以前のこのマハラジャこそ世相を見てきたというのが正解と個人的に思うところあり、思えばFD・FF形式のブッコミがディスコの主流といわれた渋谷・新宿系を、ドレスコードの設定やVIPルームを設けるとなどの差別化を図りその概念を全く変えたこの系統の功績は大きいだろう。

それこそこれで夜は比較的閑散であった麻布十番やこれの絡みでキンクイが登場した表参道など一躍華やかな社交場?に変身してしまったものだが、水商売の概念を覆すマーケティングの上手さは当時間違いなく1歩先をゆくものであったと思う。

しかし考えてみればこのデフレの狭間に咲いたロハスやらエコやらと抑制へ回帰するものが増えて来る気運の中で、逆にこうした反動の部分を煽るモノが出てくるのも何やら分る気がする。


右へ倣えと権限拡大

先月末に政府は公的資金を活用して一般企業に資本注入する制度の創設を正式に発表しているが、本日の日経紙一面にはあのエルピーダメモリがこれを活用する検討に入ったと報じられている。

直近でも札幌の老舗である今井丸井がとうとう破綻の憂き目に遭ったが、500億円以上規模の破綻が相次ぐ中、企業申請から資本注入が打倒と判断すれば対象企業が発行する議決権の無い優先株を引き受けるといった格好で支援するとの事だが、通常思い浮かぶ金融機関というか銀行へのそうした措置が一般企業へも枠が拡大されたという事か。

確かに今の米国他を見るとGMだ、シティだ、RBSだと巨額のカネを注ぎ込みもう大金に対しても半ば麻痺状態化しておりこうした気運になり、カラ売り規制や今回もそうなのだろうが何でも他国の真似というのも如何なものだろうか。

だいたい他とは規模こそ違うだろうにしてもそれでも少し纏まれば数兆円単位の話になるだろうし、目下2兆円のバラマキとされているものでも大騒ぎの日本が旨くオペレーションできるのであろうか?

仮にそうなったとしても曲りなりにもというか国が企業に介入という事になると、なにかまた天下りめいたもの含めて穿った見方を敢えてすれば混乱に乗じた官僚の権限拡大狙いとも取れなくもないし、幾つかは利益相反の疑義が掛けられるケースも間違いなく出て来るのが想定されると思う次第。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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