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定価から低価

昨日に続いて廉価モノで目に留まったのは、本日の日経紙財務面にあった吉野家HDの09年2月期の連結が前期比41%の減益になったとの報であった。

ファストフード系でもなかなかうまくいった事の少ないラーメンやすし等の多角化事業は果たして赤字であった模様で、更には本業の牛丼事業の売上も減少との事であるが、何故同記事が目に留まったかといえばちょうど昼時に立地のよい同店の前を通り掛った際に、主力時間帯であるにも係わらず心なしかお客さんもマバラであったような感じがしたからである。

もっともこの辺は二極化で吉野家でも中間帯に入りつつあるが故の事例とも思ったが、今やワンコインどころか移動販売でもこのワンコインを下回る設定が標準、それらをベンチマークにすると確かに今の定価も高価?にも見えてくるマジックがある。

昨日も書いたようにコンビニも定価から更に一段の値下げ競争、そのコンビニではあのスタバのコーヒーでさえ缶で100円台で買える時代になっている。全般可処分所得が厳しくなりつつある昨今、何処までこの動きが業界を侵食してゆくか。


廉価優勝劣敗

今日は以前よく立ち寄っていた都内某メインストリート沿いのコンビニに行ったら少し見ぬ間になんと閉店していたのに驚いたが、さてこのコンビニといえば昨日は大手4社の平成21年2月期決算が出揃っていた。

所謂タスポ効果もあってかうち3社がチェーン全店売上高、営業利益共に過去最高を更新しており、なんともこの消費低迷でスーパーや百貨店が軒並み不振に陥る中を最高益の一人勝ち状態といえるものの、上記の効果一巡感もあって今期は営業増益率鈍化、値下げ競争も激化の様相になると本日の日経紙あたりは伝えている。

しかしこの状況下、モノ売りでも優勝劣敗?が鮮明化している。上記のコンビニ始め以前当欄でも触れたユニクロのファーストリテイリング、靴のエービーシーマート、家具のニトリ、食では餃子の王将フードサービスやハイデイ日高等々過去最高益更新組はこの時世でやはりその存在感が目立つ。

不要なモノは買わなくなり、衣・食・住と景気悪化でそれぞれが手控えられてしまう分野での最高益更新はなるほど各社やはり各々の個性が光る。先のファーストリテイリングなどあのジル・サンダー氏と提携したのには小さな驚きがあったが、安く満足してもらう物創りと言うのは簡単であるもののこの辺で格差も更に拡大するか。


社会主義国の功績と罪過?

さて、本日の中国株式市場は銀行株が融資増加を好感した買いで上昇し、上海総合指数は昨年8月以来約7ヵ月半ぶりに2500台に乗せてきた。

ところで週末の時事にも中国株投信、人気再びという記事があったが、世界の株価が年明けから持ち直しを見せる中でも特にV字型の回復が目立つのが中国。上海総合指数は安値から50%近くも戻り、香港ハンセン指数も40%以上の戻りを入れているあたりが日米とはそ上昇幅を異にしている。

これは社会主義国ならではの迅速な意思決定と実行が奏功しているという景気対策への期待が根底にあるというが、日本でももともとこれらの期待から建機株が一足先に物色され、先に書いたBDIにしても中国期待で急上昇してきた経緯がある。

一方で末尾には中国株式市場の参加者は地元の個人投資家が中心で機関投資家の比重が小さい為に、急騰急落のリスクが高いとの指摘も為されている。まあ確かに上記の香港比でも主要企業のPERなどは約2倍まで買っているのは事実であり、これで前回同様の鞘寄せになるのかはたまた息の長い相場となるや否や注目である。


東と西の夫々

さて、今週の日経ヴェリタスの特集にあったのは「証券取引所サバイバル時代」、大型再編が一服しながらも地盤沈下が懸念される中どのように生き残るのか東証や大証のコメントも出ていたが共に新市場創設を睨みその成功もキーとなってくる。

東証は先月末に一度当欄でも触れたが09年度中に予定していた上場計画を今回またも延期、AIM開設を控え諸問題を抱える中デリバティブ清算業務を含め市場活性化策に力を注ぐと言う。一方の大証は今月に入ってからすぐにデリバティブ市場全体の取引高が前年度比32%増加と5期連続で過去最高を記録したと発表、こちらもジャスダックと絡め次期振興市場をどう融合してゆくかが課題。

さてこの大証と提携しているナスダックOMX社長の弁も出ていたが、目に留まったのが日本の清算・決済業務は時代遅れかとの問いに対してはっきり肯定している点。ところでOMXといえばもう一つTOCOMが同社のソフトを採用しこの鳴り物入りのシステムももうあと一ヶ月ほどで始動するが、清算・決済業務に関しては先週末の日経紙に出ていたようにFIAがこのTOCOMの傘下に新たな清算機構の設置を求める等JCCHに対する不満は強い。

確かに誰がみても積立金ひとつ取っても他比較で数十分の一で中期経営計画もどこか虚しい、日本の商品先物市場再生のカギはJCCHの改革、清算機構の復活に掛かっていると日経では結んでいるがさてこちらもどうなるのであろうか。


株価のボトムがBDIのピーク

3/10の年初来安値から期末対策?が奏功してか大台を二つ変えるかの勢いで急上昇してきた日経平均株価だが、本日は米株安や円高を嫌気し急反落となっていた。さて、この日経平均株価が直近のボトムを付けたあたりまですこぶる活況であったものに海運市況がある。

その市況だが上記の日経平均株価ボトム3/10をピークとしてバルチック海運指数が続落に次ぐ続落で実に20営業日連続で下落を演じており、昨年のリーマンショック後の10月上旬から11月上旬に作った22営業日の記録更新が目前となっている。

採算はどうなっているのだろうとも思うが、用船の取り手の交渉力が強い上にこの時世で採算には或る程度目をつぶる海運会社が存在する事を物語っているのだろう、特に市況高騰をリードしていた小型モノの下げがキツい。

そんなわけで本日の日経紙財務面でも川崎汽船の減益幅拡大が報じられコンテナ船の10%削減計画も会社始まって以来の事という、他社の動向も要注目だがこちらも中国の影響は大といえようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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