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日進月歩と旧態依然

今週石油情報センターが発表した9日現在のレギュラーガソリン1リットルあたりの店頭価格は前週比0.5円高の172.4円、先週は1987年の統計開始以来初めて170円を突破していたがこれで最高値を3週間連続で更新している。

昨日の日経にも記録的なガソリン高でトヨタ・日産が北米で低燃費車増産との記事が一面にあったが、この辺ではトヨタが更に次世代蓄積電池の着手とか、はとバスがハイブリッド車導入とかの報道も本日あり、一方で株式市場では次世代電池関連のテーマに乗りストップ高連発から一ヶ月そこそこで株価が約3倍に化けている銘柄もある。

さて日本では暫定税率狂騒曲で政策対応含めてゴタゴタした上に果たして“暫定”が続くわけだが、こうして今は株式等が先取りしているハイブリッド車含めた次世代モノがいずれ普及の波に乗ってきたら、今度は電気コストになにやら仕掛けて来るのだろうか?とついつい勘繰るのは自然なところだろう。


消えゆくシャンシャン

さて株主総会を控えていろいろと悩んでいる経営陣も多いと思うが、昨日は日本興亜損害保険の筆頭株主である米投資顧問会社サウスイースタン・アセット・メネジメントが社長の取締役再任案に反対する方針を決めた事が大手各紙で報道されている。

ファンド側は議決権行使を他株主に要請する事を意図するものではないとしているが、これに限らず以前当欄で触れた事のあるミレアや三井住友海上等の損保業界は外国人株主比率が高まっておりジワジワと圧力の出て来る可能性が高まっている。

ところで再任反対といえば直近で話題だったのはやはりアデランスか、殆どの取締役再任が否決されるや後場から同社株が急騰する様は当人達には忸怩たる思いだっただろうが、正当な企業価値の向上案から会社提案でも従来型?が可決し辛くなって来ている意味は重く今後の企業統治の変化を示唆しているか。


選手の悲哀

本日の日経平均は昨日の急落に続いて続落し一時14,000円の大台も割り込んでいたが、そんな悪環境下でも昨日に続き発行済株式を上回る異常な商いで連日の東証の値上がりトップに輝いているのがゴールドウイン株。

周知の通りジャパンオープンで英スピード社製のLRを着用した五輪代表選手らが続々と新記録を出した事で販売ライセンスを持つ同社が注目された訳だが、一方で昨日はアシックスやミズノやデサントといった水泳連盟の公認メーカー株は軟調展開、特に英スピード社と数十年来のライセンス契約を昨年打ち切ったミズノこそ何ともタイミング?が悪い。

さてどれだけ凄いモノなのか素人にはピンと来ないが、日経の波音欄では「モモンガとサメ」と題して用品の飽くなき開発欲で選手という人間の技が隠れてしまわないかと警鐘を鳴らしていた一文を見かけたが、それを言い出したら境界線の問題もありそれこそキリが無いだろう。

そんな事より連盟とか公益法人が絡んだ、カネ絡みの企業論理世界の器で翻弄されている選手達がなにより可哀相に映る。


批判の根拠?

週末の海外相場はご存知軒並み急騰しているが、中でもやはり10ドル以上という過去最大の上げ幅を記録した原油が一際目を惹き、未だ値幅制限のあるTOCOMはストップ高張り付きで商いも殆どお手上げとなっていた。

しかしこうした状況頻発でロスカット制度やら堪ったものではないと思うがそれはさておき、前回はループホールと題し規制警戒から各商品が値を崩す様を書いたが、今回は宛ら昔の「一時規制は買い」という株式格言が思い出されるような恰好のコレクションであったようだ。

背景にはモルガン・スタンレーが7/4迄に150ドルに達する云々のリサーチノートもあった模様だが、今日の時事では以前に「デイトレーダーがバカで無責任」と発言した北畑経済次官が同社やG・Sを名指しで批判、どんな事があってもファンダメンタルズは60ドルとの記事があった。

まあエスカレートしてまた何処かで面白い発言を期待?したいが主要消費国が同問題への強調策を打ち出した折、投機資金への対応の行方が注目される。


ループホール

先週末あたりの各紙には先物への分散投資が世界で拡大と出ていたがそれも束の間、今週にかけてはCFTC(米商品先物取引委員会)が投機対策としてFSA(英金融サービス庁)やICE(インターコンチネンタル取引所)との間で情報交換を強化するとの報で各商品は思惑も募り値を崩す物が目立った週であった。

この辺に関連して昨日あのジョージ・ソロス氏は上院商業委員会で、原油価格の高騰背景には投機の商品先物取引は依然としてバブルを助長させているとしながらも、価格は実需に基づく水準にあると証言している。

ジョージ・ソロス氏のように知的見地からすると不健全で潜在的に経済の不安定要因と言ってしまえばそれまでだが、所謂商品指数ファンドがここ数年上昇相場の牽引役となって来たのは確か、委託保証金引上げ限界論やスワップ絡めたヘッジ申請の抜け道が改めて焦点になりそうだが、結果ここへきて金融勢と当業勢との対立が鮮明になっている。

最終的にはここも政治の力関係なのだろうが、間に入る当の取引所としても株主が存在するだけにその行方が注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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