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準国債?

ご存知の通り、週明け6日の国際商品相場は米金融危機の影響から資金流出の動きに拍車が掛かり何れも軒並み崩落、CRB指数もつい先の夏場高値から一気に3割以上も急落した格好になっているがこうなって来るとホンの一握りというか急伸した金が嫌でも目立つ展開。

そういえば過日の日経紙にはリーマンブラザーズ破綻以降は金ETFの売買代金が急増し、例えば大証金価格連動型上場投資信託は9月後半は前半の二倍弱の売買代金に増加したり、SPDRの売買高が9月半ば以降は二倍超に増えている旨の記事を見掛けた。

また別の大手紙ではTOCOMのミニ金も取り上げており、今年夏の設計変更から個人投資家の取り込み狙いが奏功し取引が?爆発的?に増えたとしているがまあこれについてはモノは言い様だなという感も。

兎も角、ほぼ一年前に当欄でも触れた事のある所謂恐怖心指数であるVIXも昨日は初の50台に乗せこれは実に1998年の10月に記録した史上最高値を約10年ぶりに更新とか、まあ確かに信用リスクに過敏になっている今だけにこの部分だけからすれば「安全な資産」と持ち上げられ物色し易い金というのも解らないでもないがなんとも荒涼とした感は否定出来ない。


再編劇混沌

さて毎週末になるとまた何かが出るのではないかとハラハラする米金融危機だが、証券から銀行、そして保険等へ再編の嵐が連日吹き荒れている。直近で注目されているAIGは中核の損保事業に集中するため日本市場を手放す事になったわけで結局アリコなど生保三社の株式を売却方針、史上最大とも言われる競売で何処が触手を伸ばし競り落とす事になるのか興味津々だが、大規模な経営危機が日本市場の業界再編に発展してゆくのも必至な情勢だろう。

また銀行の方も直近ではウェルズ・ファーゴの登場からワコビアが僅か数日でシティーグループへの吸収合併を翻意しこれにNY地裁まで登場し行方は混沌、銀行といえば国内も三菱UFJが土壇場で出資形態を優先株に切り替え物議を醸し出したモルスタへの出資があったが、これも今後国内最大級の証券会社構想等いろいろな話が出ている。

斯様な状況で金融安定化法案可決後も日経平均は下げ止まらず4年8ヶ月ぶりの安値へと急落というのは自然なところだろうが、こちらもこれでまた上場基準割れ等回復の道が一段と遠退き市場から撤退命令が出るモノ多数か。


試金石―TOCOM

本日は、出光興産が既報の通りガソリン等の石油製品の卸値をTOCOM等の製品マーケット価格を指標として週単位で改定する方針に変更することで、毎週木曜に公表(次回からは金曜に変更)という事に則しての第一回目公表日であった。

新日石も同様に今月からこの方式に移行するが石油製品を巡っては、予てより末端には相応のタイムラグが生じ消費側に不信が出ていた事もさることながら、元売り側に取っても交渉難から転嫁が一部しか叶わないという問題がこれで改善の道を辿るかのようにも見えるがさてどうだろうか。

ただでさえ通常の交渉が難航していた給油所の問題があったがやはり今回の件でも「TOCOM市場は価格操作が容易に可能ではないか」等の懐疑心が満載、当の元売りもこれに付いては問題視しており新日石なんぞは特約店の選択方式にするとか、数年前に休止されたままになっている軽油含め市場設計に対する注文も当然出てくるのは想像に難くない。

先ずはこうした件を切っ掛けにリクイディティの復活化なるか、この辺が順調に進んで初めて安易に連呼されている「産業インフラ」というのも現実味を帯びてくるのではないか。


サードステージ開花

さて、オリエンタルランドが本日発表した2008年度上半期の入園者数は過去最高を記録した模様であったが、もう一つこのディズニーリゾートには創立以来7,000万人の観客を動員しているあの「CIRQUE DU SOLEIL」の日本初の常設劇場である「CIRQUE DU SOLEIL THEATRE・東京」が総事業費140億円をかけ開幕の運びとなった。

既に夏場からトライアウト公演が展開されていたが、演目の「ZED」は初のオペラ演出家が手掛けるもので世界でも初演、タロットカードからインスピレーションを得て生み出したものというがこのコンセプトを常設劇場作品だけにどのように魅せてゆくのか期待も膨らむところ。

この手は言語を限定せずにアクロバットなどの人間の動きが観客にメッセージを伝える言葉になるといわれているが、アーティストは世界約40カ国から約1,000人を擁し徐々に日本人も増えこの「ZED」でも元世界チャンピオンクラスの精鋭が登場とか。

ともあれ他と競合しないというか作品に合せての劇場創設なだけに、このディズニーリゾートのサードステージの目玉であるこの事業、関東周辺という視点より全国や海外からどれだけ観客を誘致出来るかが鍵となってくるか。


疑われる資金調達目的

今月も本日で終るが、今月に入ってからの上場企業のパンクには拍車がかかり確か実に7社が破綻、非上場でもその名が知れ渡ったモノありで従来の不動産一辺倒という構図から他業種にまで破綻の波が及んで来た事は景気後退色が一段と進んできた感じもする。

そんな中で今月破綻のトップを切ったジャスダックのトランスデジタルは本日付でヒッソリ?と姿を消すわけだが、異色なのは管理ポストとか整理ポストではなく通常ポストで破綻前に株価が既に1円を付けていた点か、これなら破綻のニュースでみるみるうちに株価が紙屑になってゆくショックも無いと笑えない冗談もあったが確かヘラクレスにもこれと似たような例があった気がする。

それにしても酷いのは上記のトランス以外の全社が上場後に僅か2〜4年で破綻の道を辿っている点か、またトランスとてというかこれ含め株価一桁モノの多くは株券製造機の如く幾度にも亘るファイナンスを繰り返した結果の希薄化は一目瞭然だろう。

これらいずれも資金調達の目的は何だったのか素朴な疑問が出てくるのは自然な成り行き、こうした件が続くようであると取引所の審査含め当局の運営のあり方に対する抜本的な見直しが求められようが、既に株主責任を負わされた向きはなんともやりきれないだろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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