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食料と環境

本日の日経紙一面には国連食料農業機関(FAO)が主催し約60ヶ国が参加する「食料サミット」がローマで開幕し、日本としては備蓄輸入米30万トン以上を放出すると表明する旨が出ていた。

ところでこの輸入米、年間で義務的に米国やベトナム、タイ等から輸入しているMA米であるが、タイあたりには米価対抗手段としてサウジアラビアが稲作農業分野へ投資する動きも出てきている。

砂漠の石油国では新興国からの食料輸入を図っていたものの、昨今のBRICsに観られるように経済成長に伴うインフレ圧力の増大で一部米などの輸出停止になった経緯があり、いよいよオイルマネーの食料政策もこうした部分を押える動きになったようだ。

こういった資金の流入でまた違った弊害も外部から見れば懸念されるところだが、日本としても洞爺湖サミット絡め積極的に関与してゆく姿勢とはいえバイオ始め各国の利害調整は難題だろう。


看板を下ろす

本日の日経平均は海外の信用不安が再燃した事もあって4営業日ぶりに急反落となったが、そんな悪環境の中で大商いの下で続伸していた三井鉱山あたりが目に付いた。

同社は直近で優先株の処理で再生が完了し資源株としてテーマ人気にも乗っていたが、本日の日経紙にはオーストラリア証券取引所が年内にも石炭、2009年にも鉄鉱石の先物取引を始めると報道、指標性は未知数なものの投機資金の流入によっては先行き関連企業へ矛先が向かうとの思惑も出るところか。

ところでこの三井鉱山だが来年から社名を日本コークスに変更すると発表、約100年の歴史を持つ現社名が消えるわけだが財閥系の中で冠を下ろすのも時代の流れを物語っているか。


感性に訴えるもの

さてカウボーイも5/26付けの我想うで触れている通り、「PRADA Phone」がNTTドコモから昨日より発売となっているが、既に欧米等で先行していた物から第三世代仕様へ改良し購買意欲を刺激している。

直近でこの手のブランド系携帯で思い出すのはあの金ピカの眼に眩しい出で立ちで一部マニアの目を惹いた「DOLCE&GABBANAモデル」であったり、宝飾系からはソフトバンクの「Tiffany&Co」があったりしたが、今回はゼロから共同開発で其れなりに携帯らしからぬマーケティングも徹底していた模様。

斯様にプラダとしては主力の靴やバッグ等と同一線上で感性に問いかけるモノとしてITへ進出したわけだが、一方でミラノ新タイプの美術館を建設中とか、アートの新たな価値と役割を見出そうとする試みはこれら含めて新展開となって来るか。


行政と規制緩和

今週気になったニュースといえば、大阪証券取引所、中部大阪商品取引所、関西商品取引所で三取引所間の相互協力協定(MOU)を結んだとの発表であろうか。

この相互協力協定に関しては年明けに東京証券取引所と東京工業品取引所がやはり同様に締結しているが、大阪証券取引所もその後東京工業品取引所とMOUを締結しており、この辺はロケーション論含めて証券取引所と商品取引所でその生き残りに関する政策でも体温の違いを感じるところ。

ただ、何れにしろ証券取引所側が規制緩和が可能にする商品取引所との提携強化が課題なのは間違いの無いところで、極端にボリュームが偏向している商品取引所の構図ながら使われ方によっては化ける可能性が無いわけではないかとも片隅では考えたりも。

比べるのもどうかと思うが地元財界の顔色を気にする証券新興市場とは共通項があれど、こちらの方がクリヤする身軽さという点での現実味はまだあるかもしれない。


読まれていたテーマ

本日は寄り直後から先物に振られる格好で急速にダレた日経平均株価であったが、この影響でバルチック海運指数復活からここ地味ながらジワジワと高値を取ってきていた海運株も軒並み一服商状となっていた。

株式が先行して全般調整が入ったので指数からすればメリルやUBS各社で強気のレーティング継続も自然なところだろうが、あの四川大地震以降に煽りが顕著であった事から先週末の日経夕刊が僅かに触れていたように復興需要でも可也テーマとしての思惑が入り乱れている。

この大地震ではこうして各方面で需要創造する一方で、インフレ助長や見せたくない物まで露呈させてしまっている面も多々出て来たが、しかし昨年この用船絡みのファンド案件にも触れた経緯があるが大化け必至で実に着目点がよかったというべきであろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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