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醒めないMAGIC

さて、先週は内定取り消しやら何やらで一頃晒し者になってしまった日本綜合地所がとうとう2,000億以上の負債で破綻の道を辿るハメになってしまったが、こうしたモノが出る一方で先週末の日経紙一面に出ていたようにオリエンタルランドなどは09年3月期の連結決算で純利益が過去最高になった模様である。

もともと同社は昨年から度々上方修正をい繰り返すなど一般とは全く逆の優等生ぶりを見せ付けて来たが、最近の景気後退の中で所謂レジャーの「安近短」傾向が追い風になったと見られている模様である。

まあ上記は額面通りには受け取れないもののTDL周辺については度々当欄で触れて来たが、古くを辿ればバブル崩壊期でもへこまず100年に一度の危機でも最高益とはそれこそMAGIC、考えてみればここ数年に亘ってレンジ内での動きを続けている管理相場のような同社株価には正直つまらなさを感じる事もあったが、まあ外部環境に左右されないというのもやはり特異でもある。

先に25thアニバーサリーに触れた時に「〜シンプルな発想ながら絶え無き仕掛けとその実現にはいつも敬服させられる〜」と書いたが、もう一つの強みはやはりキャストの教育であろうか。この辺は以前に直営ホテルへ宿泊した時にこれは凄いなと敬服した出来事が幾つもあったが、或る面ココの人材教育に似たようなエッセンスを持っていたのが2/5付けで書いたマハラジャであったが、さすがにそのマジックの規模が違った。


マハラジャに見たマーケティング

このところ街もこの時期バレンタイン一色になってきたが、ヒルトンなどでは「バブル期を思い出して」と宿泊券付きのチョコを売り出している。

さて、バブルといえば昨年の秋には「夜に見る世相と経済」というタイトルであの「ジュリアナ東京」を一晩だけ復活させるイベントについて触れた事があったが、先週末には同イベントの「マハラジャ」版が行われた模様だ。
こちらの方には行かなかったが前のジュリアナの時に書いたようにバブルを謳うならやはりジュリアナ以前のこのマハラジャこそ世相を見てきたというのが正解と個人的に思うところあり、思えばFD・FF形式のブッコミがディスコの主流といわれた渋谷・新宿系を、ドレスコードの設定やVIPルームを設けるとなどの差別化を図りその概念を全く変えたこの系統の功績は大きいだろう。

それこそこれで夜は比較的閑散であった麻布十番やこれの絡みでキンクイが登場した表参道など一躍華やかな社交場?に変身してしまったものだが、水商売の概念を覆すマーケティングの上手さは当時間違いなく1歩先をゆくものであったと思う。

しかし考えてみればこのデフレの狭間に咲いたロハスやらエコやらと抑制へ回帰するものが増えて来る気運の中で、逆にこうした反動の部分を煽るモノが出てくるのも何やら分る気がする。


右へ倣えと権限拡大

先月末に政府は公的資金を活用して一般企業に資本注入する制度の創設を正式に発表しているが、本日の日経紙一面にはあのエルピーダメモリがこれを活用する検討に入ったと報じられている。

直近でも札幌の老舗である今井丸井がとうとう破綻の憂き目に遭ったが、500億円以上規模の破綻が相次ぐ中、企業申請から資本注入が打倒と判断すれば対象企業が発行する議決権の無い優先株を引き受けるといった格好で支援するとの事だが、通常思い浮かぶ金融機関というか銀行へのそうした措置が一般企業へも枠が拡大されたという事か。

確かに今の米国他を見るとGMだ、シティだ、RBSだと巨額のカネを注ぎ込みもう大金に対しても半ば麻痺状態化しておりこうした気運になり、カラ売り規制や今回もそうなのだろうが何でも他国の真似というのも如何なものだろうか。

だいたい他とは規模こそ違うだろうにしてもそれでも少し纏まれば数兆円単位の話になるだろうし、目下2兆円のバラマキとされているものでも大騒ぎの日本が旨くオペレーションできるのであろうか?

仮にそうなったとしても曲りなりにもというか国が企業に介入という事になると、なにかまた天下りめいたもの含めて穿った見方を敢えてすれば混乱に乗じた官僚の権限拡大狙いとも取れなくもないし、幾つかは利益相反の疑義が掛けられるケースも間違いなく出て来るのが想定されると思う次第。


牛歩

FUTURES PRESSでも既報の通りだが商品取引所連絡会が発表した1月の商品先物出来高は前月比9.1%減の306万731枚と依然として冴えなかったが、今月に入って日本商品先物振興協会は東工・東穀・中部大阪・関西の4商品取引所に対し合併や解散・統合などを促すために「再編に関する提言」を示したと発表している。

そうこうしている中でも本日の時事にてカネツ商事は該当上場商品が人気離散傾向を強める状況にあり、中部大阪商品取引所と関西商品取引所の受託業務を廃止する旨の記事を見掛けたが、まあ最後に一括して纏めるので途中の川下の紆余曲折は黙認されているのかどうか、業界世論も背景に気運がマッチしているのにこれほど時間を費やしているのも珍しい。

結局は最終的な目的がまだ不透明という事の裏返しなのだろうが、証券の方でも中部はセントレックスが上場している五分の一が上場廃止基準に抵触する等こうした部分にも再編のネタあり。

そういえばお隣韓国では、証券や先物を手掛ける企業の合併や再編を加速し総合金融投資会社の育成を狙い、証券・先物など業種間の垣根を取り払う「資本市場統合論」が4日に施行される旨が2日付け日経紙にて載っていた。


悲哀こもごも城下町

週明けも続落と冴えない日経平均であったが、中でも売り気配から終日一際下げが目立っていたのが重電の雄、日立であろうか。

それもそのはず先週末の日経紙一面にも報じられていたように09年3月期の業績予想を下方修正し当期損益が7,000億円の赤字になる見込みと発表、これは実に創業以来最悪の水準でこれに伴い7,000人がリストラ対象になる模様だそう。

朝日紙には早速いわゆる日立城下町へ衝撃が走り各々川下への影響が懸念される旨が載っていたが、これは現状愛知県でも先のトヨタショックからトヨタ城下町も末端までが可也の影響を被っている様と同様。

リーマン破綻の後の昨年10月に「〜富裕層だけの問題ではなく今回はこうした件の弊害が何れ一般にまで及ぶのは必至〜」とコメントしたが果たして川下はこうした憂き目に遭っているといえようか。

また財政上も問題有りでこの豊田市では法人市民税が過去に例が無い90%の減収となり還付金も相当額出る模様、こうした主力産業に税収を頼る自治体の影響も計り知れないが、マクロというか全体で法人税がどの程度吹き飛ぶか、さて国の財政もお偉いさん方に知恵を絞ってもらわなければならない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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