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形骸化

本日の日経紙には相場操縦等不正取引に関与したトレーダーに課す罰金上限を10倍に引上げると共にCFTCの監督範囲を拡大する等、商品先物取引の規制強化案を米議会が可決したとの件が出ていた。

完成され整備されている指標マーケットはそれとして返って国内はどうだろうか、段々と今後ガラス張りの部分が縮小されてゆくものの商いと引き換えの見て見ぬフリは過去幾つも見られたが、何れにしろこうした領域では未だ発展途上だろうか。

素人目でも規制対応の遅さというかその基準自体の形骸化を感じる時もあるがそうした事例の時ほど官僚色を感じるもの、何れ参加者シフトが起こる時も来ようが世界基準でみて万人が納得ゆく説明でなければこれまた取り残されるのは必至か。


ジャポニズムの変遷

さて今年は日仏修好通商条約が結ばれてから150周年にあたり、これが初の日本公演となるパリ国立オペラによる公演等を筆頭として各所で記念行事が目白押しである。

そんな中で期日もあと僅かになってきたという事でやはり個人的に外せない、「ガレとジャポニズム」を鑑賞に過日ミッドタウンに行ってきた。

今回は有名な「ひとよ茸」を始めとしてなかなか纏まって観る機会の無かったファニチャー系の出展があり楽しみであったのだが、新鮮な発見だったのは他にヴィクトリア&アルバートから出展されていた1890年のバカラ花器も日本美術の影響を受けた作品を残していた点か。

さてメインのガレといえば、やはり何度観ても普段弱々しくみられているもののスケールを極端に拡大させる事によってその猟奇化を見事に図っている様は流石、ヒストリカルな構成もまた素晴らしいものであり満足な内容であった。


委任状争奪案件

ひと騒動あった例のインターネット検索大手ヤフーであるが、今度は米著名投資家のカール・アイカーン氏が株式を買い集めている事が発覚した模様だ。

氏といえばタイムワーナーや韓国の煙草会社に敵対的買収を仕掛けた所謂アクティビストとして有名であるが、今回も委任状争奪戦に乗り出し再度の買収実現から高値での売却を目論んでいるとの見方。

まあ委任状争奪戦に勝利しただけで企業が変貌を遂げるかとは一概に言えないが、いずれにしてもファンドはパフォーマンス志向、過去幾つもの企業を蘇生させ多額の利を齎した同氏だけに先の失望から売られたヤフー株は一転急上昇、転がり込む報道に株価も一喜一憂といったところ。

上記の通り一旦は破談となった格好の米マイクロソフトによるヤフーの買収騒動だが、株主総会を前に関係者の思惑通りに事が進むか否かまた面白い案件となってきた。


天災のタイミング

周知の通りオリンピックまで残すところあと僅かになった中国で、四川省を震源とするM7.8の大地震が発生した。

この手の災害報道によく見られるように時間の経過と共に惨状が明らかになっているが、株式市場は上海証取や深セン証取に上場している66社が取引停止となっている模様で、国内はこの被害状況等の手掛り待ちの中を特需見込みで建機関連に物色の矛先が向かっていた。

さて同市場売買再開後にあの阪神大震災時に見られたような個別への売りも含む物色がこちらでも再現されるのかどうかも気になるところだがそれは兎も角、先月中国については当欄でオリンピックを待たずして綻びが加速してゆくのかどうか注目としたが、人が創造した不安の障壁の次には天災が襲う等過去主要国にもあったその試練の巡り合わせにはい因果を感じる。


コスト転嫁の波

世界では比較的時期が遅い日本の昨日はご存じ「母の日」であったが、何処も街中はそれに関連したデコレーションが目立ち、今年は特に以前当欄で触れた事のある花弁が七色の薔薇が大人気であると彼方此方で聞いた。

ところでこのオランダからの輸入物以外で主力の定番はやはりカーネーションであるが、今年はハウスの暖房油の値段が昨年から2倍以上に跳ね上る等、関連コストを直撃している模様だ。

折しもWTIは週末も史上最高値を5日連続で更新し上記よろしくここ一年でとうとう2倍に、ここへ来て急成長を遂げる新興市場国の旺盛な需要という実需面を理由にする向きとリスク市場を避けた投機筋に因るものとする向きとに二分されているようだが、何れにせよ一般へのコスト転嫁の波はデフレ慣れした日本人に今後ジワジワと襲い掛かってくるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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