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舵取りと選択

週末には国内で唯一「手振り取引」が残っていた中部大阪商品取引所で、40年以上に亘って続いてきた同取引が幕をおろした。

実に堂島時代からは300年以上にも及ぶ長い歴史を有し、全国の証券取引所や商品取引所で多用された同取引だがシステム化でスピードやコスト面改善の流れが最後に末端に波及した形か。

本日は早速新取引システムが始動した模様だが上記手振りの立会い最後となった天然ゴムは取組高急減で人気離散が著しいとか、また本日は東穀がこれと同様の状況にあった大豆ミールの上場を廃止を廃止する方向で調整に入った事を明らかにしているが、市場選別の波も同時にヒタヒタと近づいているか。


現物交換可

さて今週目に付いたものといえば週明けに日経紙一面に載っていた「東証が金ETFを来春上場」という記事だろうか。

これについては既報の通り先に大証がリンク債を絡める苦肉の連動上場投資信託を上場させているが、東証はその占有率から指標とされているあのステート・ストリート社の商品を相互上場させるという方針としており、勿論現物の裏付けが為されて交換が可能なものとなる。

この辺は前にも触れたが来月施行する改正信託法や金融商品取引法を踏まえてのものだが、本日は金融庁がETFにおける税制手続きを包括的に税額控除対象指定し簡素化する要望の旨が日経紙に載っており、着々と整備は整いつつあるようだ。

今年頭には同ETFの件でアジア初としてシンガポールに先を越された事に触れたが、今後の年金等の参入その他機関投資家の動向でこの遅れは取り戻せるか、また国内では取引所再編のトリガーになって来るか大いに関心を抱くところ。


3社によるネット商品先物取引事業の統合に関する正式合意

ドットコモディティ、ひまわりCX、アストマックス・フューチャーズは平成19年10月1日をめどに3社のネット取引による商品先物取引受託事業を統合する旨、下記の通り正式合意。

▼ネット商品先物取引事業の統合に関する正式合意=ドットコモ
▼商品先物会社の会社分割に関するお知らせ=ひまわりHD(PDF)
▼子会社の事業譲渡に関するお知らせ=アストマックス(PDF)


1.取締役人事
代表取締役 車田直昭(ドットコモディティ代表取締役社長)
取締役   牛嶋英揚(アストマックス 代表取締役社長)
取締役   高澤廣志(楽天 執行役員)
取締役   山地一郎(ひまわりHD 代表取締役社長)

2.新システム
DNAツールポテンシャルについて

「ディーリングの遺伝子を引き継ぐトレード端末」 
「ディーラー向けに開発した専用アプリ」

・あらゆる画面表示をショートカットキーに割当など詳細設定可能
・注文内容を全て省略し、板画面などから直接注文が可能
・ポジションサマリ表示と、同画面からの直接注文が可能

詳細については後日ホームページ等で掲載。

3.金地金について
10月限建玉より、現物受渡し決済サービスを開始。

・買い方は、当限の建玉について買付け総代金を入金することにより、金地金(倉荷証券)とすることができ、売り方は逆に倉荷証券による受け渡し決済が出来るようになります。
・受け渡し決済による倉荷証券を証拠金として当社へ預け入れる事ができます。

【記者発表内容】

[15:37より記者発表開始]
・参加者は約20名前後
・スピーカーは車田社長、及び新任取締役である高澤廣志氏(楽天 執行役員)の2名。

[高澤氏コメント]
・マネーパートナーズのIPOに関連(楽天ストラテジックパートナーズ代表)
・高澤氏はコメント後直ぐに退席(約3分?)
高澤廣志氏プロフィールはこちら

[車田氏コメント]
・3社の統合後のサービスについてコメント開始
・ディーラー向けに開発した専用アプリ「DNA」(アストマックスF開発分)をリリース
・金地金現物受渡し決済サービスを開始へ
・統合に伴うキャンペーンを実施予定(楽天スーパーポイント)
・本日の発表内容は上記3項目(役員人事、新システムDNA、現物受渡し)のみで終了
・その他については今後協議

[質疑応答開始(16:00-)]
・統合後の出資比率は ひまわりHD 33.7%、アストマックス 5.4%、楽天32.7%
・少なくとも年内は3社の取引ツールは継続利用が出来る形に、加えて新システムでDNAを追加
・1本に絞るのではなく複数のツールを提供していく予定
・16:20にて終了

メガ化

所用で三越に立ち寄った際に何かレイアウトが変ったなと思っていたら、有名シェフが監修したレストランやカフェを集めた「シェフズ&スペシャリティダイニング」なるものがオープンした模様だ。

それはそうとこの三越、先週には伊勢丹と経営統合を正式発表し来年にはホールディングス参加入りとなるが、百貨店に限らずマーケットに淘汰を求められている業界は生き残りへ競争激化し再編が著しい。

銀行という大波からスタートし、前にも取り上げた消費者金融、この百貨店等末端への枝葉はこの波に覆われているが商品業界果ては取引所も然り、必然だったのだがそうした機運が今の期に訪れているという事だろう。


門戸開放と野望

安部改造内閣の顔ぶれは決まったものの、特にこれが材料にもならず本日の日経平均は小動きな上に東証一部の出来高は大発会を除いて今年最低となっていた。

さてそれは兎も角、昨日からSBIホールディングス率いる私設取引システム「ジャパンネクストPTS」の運営がいよいよ始まり、初日の売買代金はといえば上記の通りサブプライムローン問題の影響からか様子見姿勢が強く結局一億円強となった模様。

この夜間取引、従来他社も個別に開設していたが参加者は同PTSを運営する証券会社の顧客に限られた為に、昨年に当欄でも何回か取り上げ指摘したようなリクイディティーにおけるリスクがあったのだが、ジャパンネクストの場合は順次他社も接続予定で何れにせよ日本最大規模となる見込み、将来は取引所化も視野に入れているらしいがこれによりこうした部分が改善されてゆくのかどうかその行方を見守りたい。


9/3より取引手数料を通常往復760円、日計り380円に引き下げ

日本ユニコムは6/4-8/31で実施していた手数料割引キャンペーンが好評を博したため、9/3よりキャンペーン手数料を標準化し通常往復760円、日計り380円に引き下げへ。尚、金ミニ取引の売買手数料は、9/3より1枚あたり片道190円(税込)に。

▼マスターCX、「キャンペーン手数料標準化」の実施について


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古川界隈の世界巡り

さて夏のイベントといえば都内では朝顔市、ほおずき市に始まってメインの各所花火大会やサンバカーニバルといったところだが、麻布十番納涼祭りが終ると個人的には夏もいよいよ終わりだなという雰囲気になって来る。

同祭り、今年も週末まで盛り上がっていた様子だが六本木や広尾界隈まで各国大使館が点在している事もあって普段でもこの界隈はけっこう気の利いた店は多いものの、国際バザール等は各国の言語が飛び交う中で一度に世界各国の味が堪能出来るのでなかなか見逃せない。

大使館の会合等でよく見かける定番モノから一風変ったモノまでスパイス一つ取っても母国から取り寄せたものでそれは本格的だが、そういえば国際フォーラム近辺でもこの手が増殖しており日本に居ながらにしてこうした部分は随分と距離感の無い物になったものだなと思う次第。


煽りから見るピーク

本日開いた金融政策決定会合で日銀は大方の見方通り利上げを見送り現状維持とする事を決定したが、これらや株高を一部織込む形で円は対ドルやユーロで大幅続落となっていた。

しかし為替といえば一時的かどうか落ち着きを取り戻した感のある同マーケット、先週は対主要通貨で一気に昨年来の急激な円高となり凄まじい嵐であったわけだが、今月上旬には英の「タイムズ」紙が「キモノ・トレーダーズ」のタイトルでFX取引に熱を上げる日本女性を特集記事で組んでいたのを思い出す。

事実先月には金利先物取引よりFX取引の売買枚数が上回り個人が半ばプロ化している実態が明らかになったが、CMEあたりの残高と比較してみるとそのピークがずれている分安易なFX熱がこの巻き戻しに大きく寄与したのは明白。

しかし上記の記事や雑誌の特集、末端では笑えるほど低俗なレポートの勧誘文を謳ったメルマガ等で、その煽りも目障りになって来たところが目先のピークというアノマリーだけは健在だなといつもながら想う次第。


自然からのメッセージ

なかなか気の利いた言葉が見つからないがまあ単純に連日の猛暑なのだが、電気事業連合会は本日電力10社合計の21日の発電量が6年ぶりに過去最高を更新したと発表していた他、東京電力が予め合意した一部の需要家への電力供給を一時的に減らす「需給調整契約」に基づき大口需要家への送電抑制を17年ぶりに実施するという、電力供給の緊急対策に乗り出したとの報道も各紙に見られた。

既にこれの対象企業の一つである東邦亜鉛等は生産を事実上停止、話は違うがそういえば先月は例の新潟県中越沖地震で上場企業ではトヨタ筆頭にリケン等も操業停止に追い込まれた経緯があるが自然というか地球からの警鐘とも取れるのは気のせいか。

株価で見れば上記のトヨタやリケンも一時これらを乗り越え、その体力というかグループ力の評価からか切り返す動きをみせたものの再度株価は往って来い、株式も対象企業は操業停止リスクというのも昨今見ておかねばならないのかもしれない。


美食化

過日、打合せ兼ねて会食していた折それが中華料理だったのだが中盤で海鼠が出て来てこれが苦手な私はけっこうキツかったのだが、ところが本日の大手紙にはこの日本産が中国で空前のブームで価格は5年で5倍に跳ね上がっているらしい。

中国といえばつい最近も輸出が4年ぶりに再開された日本産の「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」等のコメが、中国産一般の約20倍の価格にも拘わらず約半月でほぼ完売状態との報道もあったばかりだが、食の話に限らずレアメタル等を筆頭に国内需要をまかなう為には、その行為も金に糸目をつけない状態は今後の去就が注目されている。

直近で中国国家発展改革委員会の当局者はCPI上昇率は目標を上回る見通しであるがインフレは管理不能な状態にはならないと発言しているが、膨らんだ過剰流動性がマーケットを振り回す状態は未だ未だ終焉を迎えそうもないか。


想定外?シナリオ

さて激動の週末を経たマーケットは週明けの本日FRBの緊急利下げから不安が一時的に沈静化、週末にオーバーシュートした格好の株式や為替は夫々大幅な修正局面を呈していた。

こうした措置から来月のECBの動きについても様々な思惑が飛び、国内では先月の「シナリオに沿った動きが続けば政策変更を行っても間違いないという確信に繋がる」という旨の日銀福井総裁の発言があったのも束の間これでは利上げは見送りとの見方で確定路線となっている。

今後も各国の采配を見守るとして一応はFRBのファインプレーが評価されている形だが、この先の金融マーケットに於ける敗戦処理のニュースは未知数、可能性十分な?余震?の部分は他の指標を頼りに気を付けておく必要があろう。