代替食品需要は如何に

毎年3月恒例の業者向け「FOODEX JAPAN」が先週末まで東京ビッグサイトで開催されていた。もう50回を超えるこの展示会だが約80の地域から食の最新情報・プロフェッショナルが一堂に集結しており、今年も本邦勢のプラントベースの豚骨風スープやこんにゃくを使った代替肉などの植物由来の原料の代替食品が数多開発されて出展されていた。

こうした植物由来の代替食品が登場して久しいが、近年では一部ラグジュアリーホテルのレストランメニューや一部ビジネスホテルの朝食ビュッフェにも登場してきている。TPCマーケティングリサーチによれば、プラントベースフードの世界市場は年々拡大を続けている。12年前の2014年には2兆円にも満たなかった市場だが2022年には3兆1372億円と3兆円を超え、2030年の予測では5兆円の大台を超えるという。

こうした事を背景に国内の食品大手も動き出しており、不二製油グループ本社では2030年までにプラントベースフードの売り上げ1000億円の達成を計画に掲げ、キューピーも既に2023年に新たなブランドを立ち上げている。また半世紀以上にわたってプラントベースフードを手掛けて来た昭和産業は代替肉の開発で培った技術を生かし肉以外の新感覚用途食材を開発しミシュラン店などに新食材を試してもらう試みも。

フーデックスジャパンの責任者は「代替食品は一時期は健康という話で増えてきた部分もあるが、昨今の物価高で肉や卵が値上がりしていることもあり代替食品はひとつの大きなカテゴリーになっている」と述べていたものの、インフレの足音が聞こえ節約志向が高まるなか、お世辞にも安いとは言えないプラントベースフードの需要の高まりがどの程度盛り上がるのだろうか?一方では額面通り受け取れない部分もあるか。


原油価格に戦々恐々

本日の日経平均はNYのWTI先物の4営業日ぶり反落が好感され、前場の上昇幅が一時600円を超えるも引けにかけてマイナス圏に沈み結局4日続落で引けた。一服とはなったものの依然としてこの原油価格への不安が根強いことの証左だが、本日の日経紙グローバル市場面では「原油100ドル続けば日経平均5万円割れ視野」と題し、原油価格が高騰すればEPSに下押し圧力がかかり日経平均の大台割れも計算上視野に入る旨の記事があった。

野村證券ではこの原油価格が年度平均で10%上昇した場合は主要企業のEPSが1~1.25%の下押し圧力がかかるとしており、昨日のWTI先物93ドル台では先月から4割超の上昇でザッとEPSには4%超の下押し圧力となる計算だ。下押し圧力と言えば一部シンクタンクの試算では原油100ドルが定着した場合には実質GDPには0.53%のマイナス、また物価上昇率は1.21%になるとされこれらへの影響も懸念される。

しかしつい先月には上記の野村をはじめとした証券大手や運用大手各社がEPSの増益を見込み日経平均株価見通しを相次いで引き上げていたものだが、1か月もしないうちにすっかりセンチメントが変わってしまっている。EPSもさることながらこれまで地政学リスクではPERも低下圧力がかかってきた経緯もあるだけに致し方ない気もするが、昨日から始まった民間備蓄放出含め補助金再開など政府が場を繋いでいる間に何とか正常化の道筋が見えてきてほしいと願うばかりだ。


PayPay上場

先週末にスマートフォン決済大手のPayPayが米ナスダック市場に新規上場している。中東情勢の緊迫を背景にして仮条件の下限を下回る公募価格に決まったわけだが、そんな悪環境下でもこの公募価格を割れること無く初値形成しこれを13.5%上回る価格で引けた。とはいえ時価総額は2月にこれを取り上げた時の想定時価総額3兆円超には及ばず、約1兆円減の約1兆9000億円となった。

このPayPay、現在の利用者は7300万人にのぼるわけだが、先にクレカ大手のビザと提携し米でのタッチ決済とQRコード決済双方に対応したデジタルウォーレットの展開を検討している。現在米でのキャッシユレス決済比率は約86%、これが2027年までに94%に伸びると推測されているが、内訳はクレカがダントツでそれにタッチ決済がシェアを獲得しているなかでここからどの程度牙城を崩してゆけるかだろうか。

ともあれこのIPOでPayPayは9億ドル近くの資金を調達したわけだが、仮に東証だったらこの金額が調達出来たか否かで、ナスダックを選んだ背景には2月に当欄でも少し書いたように、機関投資家が評価し易い環境が整備されているハイテク企業が多く集まるナスダック市場の方がフィンテック企業としての将来性で高い評価を得られバリエーションを最大化できるとの判断があるという。

ちなみに米でこの業界のガリバーとして君臨するペイパルの時価総額は408.4億ドル、また決済サービスのスクエアなどを運営するブロックのそれは358.9億ドル、今後PayPayがこれら大手にどれだけ攻勢をかけられるかが焦点だが、先ずは2028年のロスオリンピックなどを見据えてどの程度アウトバウンドを取り込めるかどうかというところに懸かっているか。


ペット様様

先週末の日経夕刊マーケット・投資面では「医・食・住で広がるペット市場」と題し、ペットの健康に配慮する飼い主が増えペットフードやサプリの需要が拡大、保険から医療分野まで新サービスが登場しペットビジネスの市場規模は一昨年で1兆9108億円となり、これが来年には2兆円の大台を超えてくるとの一部予測も出ているとの日経ヴェリタスの記事が載っていた。

確かに最近はほぼ人間並みかそれ以上?の製品が登場している。昨年末にお台場で開催されたフェスタでは犬の皮膚や健康をサポートする“ツバメの巣エキス”をゼリー状のスティックにしたモノや、皮膚をやさしく吸引して筋肉をほぐすマシーン、また大正製薬もビフィズス菌を配合しペット用として初めて開発した犬用のビオフェルミンを発表。ニオイに敏感なためにプレーン味で錠剤から粉タイプに変更、犬にも腸活の文化が広まっているという。

斯様な栄養バランスのよい製品の広がりもあってペットの寿命も年々伸びてきており、これに並行して保険市場の方も成長している。こちらの市場規模は10年前の492億円から23年には1252億円と約3倍まで伸びてきており、本日はプライム上場のペット保険大手アニコムHDが日経平均が一時1200円以上も急反落する中を堂々の上場来高値更新となっている。

背景には少子高齢化や単身世帯の増加も影響しているが、家族同様の扱いで健康管理の意識も強くペットにかかわる支出も惜しまない。上記のようにペット関連企業の一角は投資家からも物色の矛先が向けられているが、異業種などの参入もありペットテック市場の成長は想像に難くなく嗅覚の鋭い投資ファンドなど水面下で動きは活発化しており、今や成熟消費市場の様相とひと頃から景色は変わり変わってきているとつくづく。


あれから15年

2万1千人以上もの多くの人が犠牲となり、今なお2万6千人以上の人が避難生活を送るあの東日本大震災から本日で15年を迎えた。被災地をはじめとして各地自治体ではこれに絡んだ追悼式が行われて多くの人が黙とうをささげたが、インフラ再建がほぼ完了するなか今月末で国が掲げる第2期復興・創生期間が終わる。

この東日本大震災以外でも2000年代は中越地震に熊本地震、北海道東部地震に近いところでは一昨年の能登半島地震などなど地震大国の日本だが、南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率もこれまでから更に引き上げが為されている。そういったことでこれまでの教訓を生かした事前復興などの大切さをこの15年を機に改めて再認識しようとする動きもみられる。

現実的な問題は廃炉で、昨年も書いた通り最難関とされる燃料デブリに関しては2024年末に約0.7グラムの取り出しに成功し、昨年に行われた2回目の試験取り出しでは約0.2グラムが採取されている。デブリは1号機から3号機まで合わせ約880トンが残っているとされるが、はたして2051年までの廃炉完了という目標とのギャップはここから少しでも埋まってゆくのか否か、復興を左右する要なだけに引き続き官民の本気度が試される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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