枝葉の広がるオプション市場

さて先週末の日経紙グローバル面では「超短期トレード、米で急増」と題し、米オプション市場で米S&P500種株価指数を原資産とするオプションで24時間以内に満期を迎えるODTE(ゼロ・デー・オプション)の比率が、CBOE(シカゴ・オプション取引所)の調査で8月に5割となるなど超短期トレードの存在感が高まっている旨が出ていた。

満期が24時間未満と超短期で価格も安価なところがミーム株などに飛びつく個人に人気なあたりが国内でも一頃話題となったバイナリーオプションを彷彿させるものだが、最近では個人のみならず機関投資家の取引も増加している模様で、いずれかに大きく動けば利益が狙えるストラドルの買いをビッグイベントの前に組んで臨む向きも多いようだ。

こうした人気からCBOEはVIX1D(ワンデーボラティリティ指数)と呼ばれる指数をスタートさせ、先月にはナスダック100指数のプットを売り稼いだオプション料がETFの収益源となる「ナスダック100エンハンスト・オプション・インカムETF」なる商品も登場している。またドイツ取引所のユーレックスでも、ユーロ・ストックス50と連動するゼロ・デー・オプションの取引が開始されている。

斯様な新指数の登場や上記の売りニーズが増えるような新形態のETFの登場で、ボラの変動幅拡大など含めオプション市場全体のバランスを危惧する声も一部出てきているがその辺は今後の推移を見守りたいところ。日本でも先にSBI証券と楽天証券が揃って手数料無料化を打ち出したばかりだが、こうしたことなどを背景に日本でもオプション取引の枝葉が広がってゆくかどうか注目したい。


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