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SRI

一部のカード会社では今年もユニセフ支援の依頼が来ていたが大和證券は昨日、日本で始めての発展途上国向けのワクチン購入資金を手当てする債券「ワクチン債」を3月中旬から個人向けに販売すると発表していた。

発行体は予防接種支援の国際機関、国際金融ファシリティで起債によりワクチンを購入し途上国へ無償援助するという事だが、このところ以前にも触れたエコファンドやらCO2絡みの外貨定期やらSRI(社会的責任投資)が売り物の個人の金融商品が多様化しているとの事である。

元々の様々な素地は昔から何処でも存在し問題視されてきたものだが昨今機運の盛り上がりからヴィトンからマクドナルドあたりまで活動を謳い、益々こうした分野の拡大傾向は加速してくるものと思われるが、この手は時に政治絡みのものも入って来るであろうし今後は金融商品としてのその性格の棲み分けも論点となってこようか。


仮想買占め

本日の株式市場は米FOMCにおける追加利下げ観測から急反発となったが、ところで週末にあった珍事といえばトヨタを始めとした主力株ばかり合計六社の発行済み株式の51%を取得したという「EDINET」への書き込み事件である。

提出したのは川崎市の会社らしいが、大量保有報告をもっともらしく装うならまだしも総額20兆円を超える買い付けと言うし掲載が休日前の引け後というのも何処まで本気なのかどうも解せない。

当の本人は依然として「訂正報告の意思はない」としておりその意図は関係者のみぞ知るという感じだが、何れにせよ当局はこれを受けての対策チーム立ち上げを表明、不本意な形ながら金融庁の受理体制の盲点が浮き彫りになった形だが、ステージは違えどホンの少し昨夏公開の「ダイハード4.0」の1シーンが頭を過ぎった一件でもあった。


WRAP

米FRBの緊急利下げ等を受けて本日は取り敢えずの一服を見せた株式市場であるが、このところの急落から一定条件の下で元本が保証されるリスク軽減型の投資信託の元本保証外れが確定したものが20本以上に達したと日経紙に出ていた。

さて、比較的低リスクの投資信託といえばこれらに限定して運用するサービス「ファンドラップ口座」があるが、年明けには野村がこの最低購入価格を引き下げる検討に入ったとの報があった。

後発組は主流の最低購入価格の約半分に設定しての参入となっていたが、マル信やオプションと同様にステージこそ違うもののニーズを踏まえその速度は速くなってきているようにも思う。

これら含めラップ口座等はまだ日が浅く元々の概念から小口化も賛否両論あるが、本来あるべき機動的運用や手数料の観点から先々には商品の領域まで枝葉が伸びてくる動きとなるのだろうか。


飛び火の影響

まあどのマーケットもあまりパッとしないがとりわけ株式市場の崩落は、年初のエコノミストや識者予想を嘲笑うかのように早くも12,000円台に突入し酷い限りである。

今はサブプライム関連敗戦処理の材料で下げが加速している感があるが、米緊急景気対策への失望やら売買停止に陥ってなお「価格に影響を与える開示情報は無い」と言う中国銀行の思惑もあって新興国をも巻き込んだ株安連鎖は不気味に尽きる。

このあおりでインドのムンバイ証取もサーキットブレイカーが発動され、新興経済諸国の高成長持続を既定路線としている今迄のデカップリング論についてもまた賛否両論出そうだがこれらの不安感から疑問府が付き始めるとなると、欧州あたりも幅広くこの延長線上で見ておいた方が良いのかもしれない。


問題体質

年明けからインサイダー取引関係では宝印刷社員の物が発覚していたが、次に週末から賑わっているのがNHK社員らのインサイダー取引問題である。

またこれで受信料不払いの恰好な理由が提供されてしまった感もあるが、しかしこの報道局記者もうち二人が勤務時間中の僅か数十分足らずに自宅に戻って注文を発注していたというからそのフットワークのよさには感服するもののこの手のインサイダー取引に関しては未だ若葉マークであったか。

さて発覚してしまったからには課徴金が待っているが報道機関記者に課徴金納付命令が出るのは初めてとか、まあそれでも僅かな小銭が残るのだが情報の中に埋もれる者にとっては欲との闘い、広く見れば改革とやらの最中にこのレベルの不祥事が起きる事自体その体質が疑われよう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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