170ページ目   株式

飛び火の影響

まあどのマーケットもあまりパッとしないがとりわけ株式市場の崩落は、年初のエコノミストや識者予想を嘲笑うかのように早くも12,000円台に突入し酷い限りである。

今はサブプライム関連敗戦処理の材料で下げが加速している感があるが、米緊急景気対策への失望やら売買停止に陥ってなお「価格に影響を与える開示情報は無い」と言う中国銀行の思惑もあって新興国をも巻き込んだ株安連鎖は不気味に尽きる。

このあおりでインドのムンバイ証取もサーキットブレイカーが発動され、新興経済諸国の高成長持続を既定路線としている今迄のデカップリング論についてもまた賛否両論出そうだがこれらの不安感から疑問府が付き始めるとなると、欧州あたりも幅広くこの延長線上で見ておいた方が良いのかもしれない。


問題体質

年明けからインサイダー取引関係では宝印刷社員の物が発覚していたが、次に週末から賑わっているのがNHK社員らのインサイダー取引問題である。

またこれで受信料不払いの恰好な理由が提供されてしまった感もあるが、しかしこの報道局記者もうち二人が勤務時間中の僅か数十分足らずに自宅に戻って注文を発注していたというからそのフットワークのよさには感服するもののこの手のインサイダー取引に関しては未だ若葉マークであったか。

さて発覚してしまったからには課徴金が待っているが報道機関記者に課徴金納付命令が出るのは初めてとか、まあそれでも僅かな小銭が残るのだが情報の中に埋もれる者にとっては欲との闘い、広く見れば改革とやらの最中にこのレベルの不祥事が起きる事自体その体質が疑われよう。


利益相反?

サブプライムローンの余波で大手金融機関が相次いで巨額の損失を強いられ、直近ではシンガポール系SWFから米メリルリンチが出資を受け入れる等発表している中で先週発表されたG・Sの9〜11月期決算はすこぶる好調で、通期では営業収益と当期利益が何れも過去最高を記録している。

それもその筈、サブプライムローン絡みの資産担保証券のショートで軽く4,000億円以上の利益を上げたのだから一人勝ちで笑いが止まらないだろうが、これを反映してか同業数社の経営トップがボーナスを返上する中で同社CEOのボーナスは総額80億円近くになるとこちらもサプライズ。

しかし一方では同関連証券の販売をせっせと続け、顧客といえば可也の損失を被っているわけだから利益相反の観点からはどうなのだろう?こうしたケースを見ていると以前の日債銀他案件売却の際のアドバイザリーの一件もにわかに思い出される。


投資の障壁

さて11/29にも触れたように今や世界を席巻しているSWF(政府系投資ファンド)であるが、日本でも自民党が月初に設立総会を開くなど来年度中の国営ファンド設立を視野に入れる動きが出ている。

現在日本の外貨準備は世界二位となっているが、米国の貿易赤字等をい背景に新興国始めとしてドル資産に偏重したリスクを減らす為に運用多様化が進む動きの中を遅ればせながらそうした機運が出て来たものか。

ただ、縦横無尽な中東系オイルマネーなどとは毛色も違い、為替介入時の副産物?から続いてやはり米国債が絡んでいるだけにこの辺は国の事情もあって慎重論も出ている模様、昨日もサブプライム対策基金の融資要請等されていたようだが目的そのものである投資に集中できない複雑な事情を抱えてまだ紆余曲折か。


やり得?

本日は昼に元証券関係役員と会っていたのだが、金商法その他いろいろ話していた中でインサイダー系の課徴金制度の話題も出た。

一部にご存知の通り先週、金融審議会のワーキンググループは課徴金制度に対してその金額水準や対象範囲を拡充する事で合意、金融庁は同取引に対して現行の2倍超への引き上げを検討する模様とか。

関係者の間では前々から言われていた事だが、運悪く?見つかってしまった場合でも現行は利益が残るのがほとんどで所謂やり得状態が実際のところ、欧米ではその何十倍も取られるケースが大半で漸くこの辺にも見直しが入る事になるか。

ただ今迄のケースを見るに魔女狩り的なものか対照的に雑魚がほとんど、中間層では悪銭をつかんだ経緯があっても現在表舞台で普通に活躍している面々も多数で、まだまだ掏りぬけられる輩は続くとか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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