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WRAP

米FRBの緊急利下げ等を受けて本日は取り敢えずの一服を見せた株式市場であるが、このところの急落から一定条件の下で元本が保証されるリスク軽減型の投資信託の元本保証外れが確定したものが20本以上に達したと日経紙に出ていた。

さて、比較的低リスクの投資信託といえばこれらに限定して運用するサービス「ファンドラップ口座」があるが、年明けには野村がこの最低購入価格を引き下げる検討に入ったとの報があった。

後発組は主流の最低購入価格の約半分に設定しての参入となっていたが、マル信やオプションと同様にステージこそ違うもののニーズを踏まえその速度は速くなってきているようにも思う。

これら含めラップ口座等はまだ日が浅く元々の概念から小口化も賛否両論あるが、本来あるべき機動的運用や手数料の観点から先々には商品の領域まで枝葉が伸びてくる動きとなるのだろうか。


飛び火の影響

まあどのマーケットもあまりパッとしないがとりわけ株式市場の崩落は、年初のエコノミストや識者予想を嘲笑うかのように早くも12,000円台に突入し酷い限りである。

今はサブプライム関連敗戦処理の材料で下げが加速している感があるが、米緊急景気対策への失望やら売買停止に陥ってなお「価格に影響を与える開示情報は無い」と言う中国銀行の思惑もあって新興国をも巻き込んだ株安連鎖は不気味に尽きる。

このあおりでインドのムンバイ証取もサーキットブレイカーが発動され、新興経済諸国の高成長持続を既定路線としている今迄のデカップリング論についてもまた賛否両論出そうだがこれらの不安感から疑問府が付き始めるとなると、欧州あたりも幅広くこの延長線上で見ておいた方が良いのかもしれない。


問題体質

年明けからインサイダー取引関係では宝印刷社員の物が発覚していたが、次に週末から賑わっているのがNHK社員らのインサイダー取引問題である。

またこれで受信料不払いの恰好な理由が提供されてしまった感もあるが、しかしこの報道局記者もうち二人が勤務時間中の僅か数十分足らずに自宅に戻って注文を発注していたというからそのフットワークのよさには感服するもののこの手のインサイダー取引に関しては未だ若葉マークであったか。

さて発覚してしまったからには課徴金が待っているが報道機関記者に課徴金納付命令が出るのは初めてとか、まあそれでも僅かな小銭が残るのだが情報の中に埋もれる者にとっては欲との闘い、広く見れば改革とやらの最中にこのレベルの不祥事が起きる事自体その体質が疑われよう。


利益相反?

サブプライムローンの余波で大手金融機関が相次いで巨額の損失を強いられ、直近ではシンガポール系SWFから米メリルリンチが出資を受け入れる等発表している中で先週発表されたG・Sの9〜11月期決算はすこぶる好調で、通期では営業収益と当期利益が何れも過去最高を記録している。

それもその筈、サブプライムローン絡みの資産担保証券のショートで軽く4,000億円以上の利益を上げたのだから一人勝ちで笑いが止まらないだろうが、これを反映してか同業数社の経営トップがボーナスを返上する中で同社CEOのボーナスは総額80億円近くになるとこちらもサプライズ。

しかし一方では同関連証券の販売をせっせと続け、顧客といえば可也の損失を被っているわけだから利益相反の観点からはどうなのだろう?こうしたケースを見ていると以前の日債銀他案件売却の際のアドバイザリーの一件もにわかに思い出される。


投資の障壁

さて11/29にも触れたように今や世界を席巻しているSWF(政府系投資ファンド)であるが、日本でも自民党が月初に設立総会を開くなど来年度中の国営ファンド設立を視野に入れる動きが出ている。

現在日本の外貨準備は世界二位となっているが、米国の貿易赤字等をい背景に新興国始めとしてドル資産に偏重したリスクを減らす為に運用多様化が進む動きの中を遅ればせながらそうした機運が出て来たものか。

ただ、縦横無尽な中東系オイルマネーなどとは毛色も違い、為替介入時の副産物?から続いてやはり米国債が絡んでいるだけにこの辺は国の事情もあって慎重論も出ている模様、昨日もサブプライム対策基金の融資要請等されていたようだが目的そのものである投資に集中できない複雑な事情を抱えてまだ紆余曲折か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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