成長なき物価上昇

先週末に総務省は4月の全国消費者物価指数を発表しているが、変動の大きい生鮮食品を除いた指数は101.4と1年前と比べ2.1%の上昇を見せた。かれこれこれで上昇は8ヵ月連続となり、その伸び率が2%を超えるのは7年1か月ぶりのことで消費税増税の影響を除くと実に13年7ヵ月ぶりのこととなる。

民間シンクタンクの予想では年末にかけてなお上昇傾向は続くとの見方だが、先に発表された4月の国内企業物価指数は1年前に比べて10%上昇と比較可能な1981年以降で初めて二桁の上昇となっており、この川上の数字と冒頭の川下の数字との乖離は依然として大きい事から値上げが浸透しているという状況にないのが窺える。

ともあれこれで日銀が物価安定の目標としていた悲願?の2%超えとなったワケだが、賃金上昇に伴う需要拡大からの物価上昇ではなく資源高等がそのまま反映されたコストプッシュ型の上昇と一般人に厳しい展開なのは明らかだ。当の日銀は緩和継続で景気刺激に軸足を置く姿勢だが、おりしも行動制限緩和でここからリベンジ消費に期待という局面だけに個人消費がこれを退けてなお盛り上がれるか否かこの辺には注視しておきたい。


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