漸く本腰

さて先週金曜日の日経紙一面には「仕組み債販売、一斉調査」と題し、金融庁が複雑でハイリスクといわれる仕組み債の問題を十分に検証せずに顧客に販売してきた事を問題視し、地域銀行99行やグループの証券会社27社を対象に仕組み債などの金融商品の販売実態について一斉調査に乗り出した旨の記事があった。

当欄でこの仕組み債やリンク債の類に関して銀行や保険、証券などの金融の業界団体に寄せられた苦情が過去最多を記録したと取り上げたのがリーマンショック後の2009年だった。当時は「目論見書」という字も読めない一部高齢者顧客層に売りまくるなどその販売方法を巡る問題が増加と書いていたが、あれから13年以上が経過し漸く重い腰を上げたという感じか。

とりわけ冒頭の証券子会社などを持つ地銀グループなど、その販売構成を調べると実に4分の1にあたる23%が仕組み債であったという同商品への依存体質が浮き彫りになっている。背景には事業環境の厳しさ等が挙げられているが、これ以外では保険等も外貨建て一時払いなど最近の為替の急変動を考慮するに火種となりそうな商品も販売強化した経緯があり今後も動向が注目される。


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