AI覇権争い

昨日の日経紙一面を飾っていたのは「生成AIマネー流入加速」と題し、文章や画像を自動生成するAI(人工知能)への投資が活発化し、世界の生成AI企業の価値が2年で6倍に拡大した旨の記事であった。この辺に絡んではマイクロソフトによるChatGPTを手掛けるベンチャー企業OpenAIへの1兆円規模の投資が話題になったが、これを機に各社共に優先度を高める舵取りに変化してきている。

今まで単語を入れ検索結果から必要な情報を探していたものが大規模言語モデルで人間の質問を瞬時に整理、自然な文章で多角的にアドバイスも含めた文章で回答が出来る存在の誕生とはその技術革新の速さには只々驚く。このAIプラットフォームを軸にして今後も継続的な高成長を牽引することが期待されているだけに、これまで逡巡していた向きの投資の矛先も自ずとこの方向に向かうことになるか。

AIは既に様々なサービスに組み込まれ活用され始めており斯様な多額の投資で今後もこの分野は日進月歩の発展を遂げてゆくだろうが、このままどこまで進化するのだろうか?確かにマンパワーの問題で限界だった部分の限界を超えさせてくれたのがこのAIだが、急速な近代化で人とモノの関係というものが今後の世界情勢にとって時に大きなリスクとなる可能性を指摘する向きもいる。

当欄でも1月に取り上げた米ユーラシア・グループの「世界10大リスク」では1位のならず者国家ロシア、2位の最大化する習権力集中に続き3位にテクノロジーによる社会混乱を挙げている。フェイクニュース等による情報錯乱や倫理的問題等々今後の懸念材料を挙げればキリがないが、いずれにしてもこの動きからハイテク業界は新たな転換点を迎えた可能性もあり、開発競争が激化するなか何処が次の覇権を握ることになるのか今後も目が離せない。


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