手数料ゼロ時代へ

さて、先週末にはネット証券最大手と同2位の楽天証券が揃って日本株の売買手数料を無料とする旨を正式に発表している。SBI証券は今月末からオンライン取引を対象に日本株の現物と信用取引の両方を、楽天証券も来月アタマから日本株の現物と信用取引の両方について売買手数料が無料になる予定だが長年にわたる手数料競争も遂にゼロに到達した。

思えば手数料引き上げ競争を巡ってはリーマンショックの翌年だったか業界最低水準を各社で謳って1週間の間に計6回もの手数料引き下げ発表が為されていた時期などを思い出すが、冒頭の楽天証券が折しも上場申請した後のこのナーバスな時期に手数料競争無料化を打ち出すあたりに業界の競争の厳しさを感じざるを得ない。

そういった意味でもこの楽天証券のIPOに本件がどの程度の影響を及ぼすかも興味深いところだが、冒頭の双璧2社で昨年の東証における個人の売買代金シェアは8割近くにも上る事だけにこれと併せ2024年からの新NISAスタートを前に個人の売買活性化に繋がるかどうかこの辺に期待する向きもあろうか。

上記の手数料競争が激化していた10年以上前の日経紙では某ネット証券社長の手数料の安さを競うネット証券ビジネスはもう終わりだという旨の意見が謳ってあったのを今でも覚えているが、彼は今この光景をどんな想いで観ているのだろう?今後この2社と手数料収入構成比が異なる他社が彼らに追随してくるか否かも焦点だが、手数料ゼロ化がこの業界の再編の芽を顕在化させることになるかどうか要注目である。


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