4位陥落

先週に内閣府がGDPを発表しているが、物価の変動が反映されより生活実感に近い2023年の名目GDPは5.7%増えて591兆4820億円と過去最高額となった。とはいえ予てから予測されていた通りこれをドル換算すると4兆2106億ドルとなり、ドイツの4兆4561億ドルを下回って世界4位に後退することとなった。

低成長が続いている事に加え、円安の進行でドル換算した場合の規模が目減りしたことも影響し世界3位の座をドイツに明け渡すことになった構図だが、2010年に次ぐ陥落で気が付けば2ランク下がった。この3位に陥落の時は実に42年間にわたって世界第2位の経済大国の座を保ってきただけに、それを中国に明け渡すことになった衝撃が走ったのを思い出す。

OECD(経済協力開発機構)など人手不足を展望しさまざまな雇用促進を日本に提唱しているが、そのOECDの加盟38か国中でも2022年の日本の一人当たりGDPなどは年末に書いたように前年のイタリアに抜かれ比較可能な1980年以降で最も低い21位に陥落、先進7か国でも2008年以来の最下位に沈んでいる。

購買力平価で試算した名目GDPはまだドイツを上回っているというから左程悲壮感は無いという向きも居るものの、この低成長に円安が続けば来年にはインドにさえ抜かれると指摘する声もある。連続のマイナス成長となっているのを余所に日経平均はバブル期の史上最高値を指呼の間に捉え沸いているこの解離感をどう捉えるか、いろいろ考えさせられるものだ。


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