169ページ目   雑記

不動の銀座

一昨日は東京国税局による路線価発表があった事から各紙でもそれらが報じられていたが、インバウンド効果なども寄与し全校平均が4年連続で上昇となり、東京都内はこれに加え人口や企業の一極集中もあって前年比で平均4.9%上昇と6年連続のプラスとなり上昇率も拡大することとなった。

そんななかで2019年分の日本一となった路線価はやはりというかお約束の鳩居堂前という結果となったが、これで日本一は34年連続となり19年は3年連続で最高値を更新している。やはり都内ではこの銀座界隈が安定の最強を誇っているがテナントの変遷など常に新陳代謝も著しい。

近年もGINNZASIXや東急プラザ、もう少し範囲を広げて界隈のミッドタウンなど新たな商業施設が誕生しているが、こうしたメジャーな場所は兎も角も大通りから逸れると途端にその前に鎮座していたビルなどなかなか思い出せないものだが、マロニエ通りでは退去した伊ボッテガ・ヴェネタが退去した跡地には英バーバリーが早速近場から移転で同所を手当てした旨が日経紙にも出ていた。

今から10年以上前に当欄では銀座は変遷著しく経済を肌で感じ易い街とし、20年の東京五輪も見据え内外の観光客を誘致するべく今後も再開発など継続してゆくのは想像に難くないかとしたが、五輪後も銀座の不動の人気が続くとの見方は多く引き続き活発な新陳代謝が継続しようか。


株主総会2019

さて、先週は上場する3月期決企業の約3割が定時株主総会を開催したピークの週であったが、問題企業には久し振りに長丁場となるケースが目立ち、株主から出された議案数は過去最多となった一方で経営側の出した議案に対しては広く株主の反対に直面するケースが見られるなど今年は例年に増して緊張感のある総会となった模様だ。

当欄では昨年の総会シーズンに「今年の争会」と題し、株主提案を受けた企業が過去最高の42社に上っている旨を書いていたが、19年の6月総会ではこれを大きく上回る54社となった旨が日経紙にも出ており、騒動があった一部企業では株主側が提案した取締役選任案が可決されるケースも出て来た。

上記の通り「争会」もかつての総会屋がすっかり鳴りを潜め、司法の壁の前に退場を余儀なくされたアクティビストの面子も変わり持ち合い株の減少が年々目立つ構造変化から真剣な議論が交わされ本来の意思決定という機能を取り戻しつつあると指摘する向きも多いが、総会屋が蔓延りシャンシャンと仕切っていた一昔とはほんとうに隔世の感がある。


ブランドカフェ彼是

さて、今月は中旬まで原宿でミスディオールなどブランドとコラボした期間限定のカフェが展開されていたが、ブランドカフェといえば同じくこの界隈では春先にティファニーが最上階にカフェを設けたコンセプトショップをオープンしたのも話題だ。これはNYに引き続き世界では2店舗目といい、今や惜しまれつつ閉店してしまった銀座のグッチカフェも世界でミラノと日本の2店舗しかなかったなと思い出す。

グッチカフェはそれこそコーヒー一杯からリゾットやカツレツなどしっかりした食事まで出来たが、こちらはブラウニーやクロワッサンなど軽食がメインでドーナツやクッキーなどティファニーブルーでコーティングされてあるものもあり、店内の至る所にあるフォトスポット同様にSNSを意識した作り込みに仕上がっている。

もう一つハイブランドのカフェといえばあのフランク・ミュラーもかつて羽田に出店していた時期があったなとこれまた思い出す。こちらも日本酒を合せた大吟醸ショコラやパウンドケーキなど手頃?なモノから20万円のけん玉まで売っていたが、これまた現在は閉店してしまっている。

しかし、こうしてみるとハイブランドのコンセプトショップというのは近年コト消費を軸にしたものが目立つ感がする。どこも体験を意識した作り込みの店舗でこれまでブランドにあまり関心を持たなかった層にも訴求する狙いが読み取れるが、今後も何所が一捻りしたコンセプトショップを出店するのかこの辺がまた楽しみである。


手段としてのESG

本日の日経紙オピニオンでは「ESG投資、普及の年に」と題し、今年米通信大手が10億ドル規模のグリーンボンド(環境債)を発行した際に発行額の8倍もの申し込みが殺到、調達コストも普通社債比で廉価になったのをはじめ大義ある活動以外の観点からも多くの注目すべき点がある旨を載っていた。

特集の頁でもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)理事長が戦略修正促すESG投資として、同行政法人が統合的ESGインデックスはじめ計5月の指数を設定し投資総額も3兆円超えの旨を語っているが、この辺は上記のグリーンボンドが発行された頃の当欄でもGPIFが一昨年あたりからこうしたセクターに絞った物色も始めている旨を書いていた。

冒頭の文中では大義ある活動以外にリスク管理の手段ともあったが、スルガ銀行の問題などを省みるにこの辺は現実味を増している。今週は株主総会ピークだがことESGに関してはテーマにもなりつつある動きが出始めており、株主優待含め投資家側と企業側がより向き合えるものとして世論に迎合するESGの重要性は増している。


脱棲み分けの課題

さて今週は株主総会がピークを迎えるなか、昨日は東京商品取引所も株主総会を開催していたが本日の日経紙商品面には「TOB価格決定 予定より遅れも」と題し、JPXと統合を控えるなか総会では社長がTOB価格の決定時期が予定されている下旬から以降にずれ込む可能性を示唆した旨が載っていた。

これが可也ズレ込むようだと秋口のTOBスケジュールにも影響が出てきそうな感じもするが、東京商品取引所といえば取引低迷に加えてJPXとの統合に向けた減損処理の影響もあり、前期7億円の赤字から先の2019年3月期では発足以来最大となる23億円の最終赤字を計上、これで4期連続の最終赤字となっている。

構造から10年を超える月日を経る間に疲弊し世界標準との距離も広がった形になったが、構想実現に向けた動きになってなお縦割り行政の部分の課題がやはり大きいか。コーポレートガバナンスが声高に謳われるなか、上場企業の傘下に入る事で改めて統治の在り方が問われようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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