169ページ目   雑記

暗闇需要

さて、今週は某スポーツクラブまで迎えに出向いた際に入口で「暗闇WORKOUT START!」なるポスターを見掛けたが、これで思い出したのが先週末の日経紙夕刊で「クラブ感覚 暗闇で体改造」と題し、照明を落としたスタジオで大音量の音楽に合せて体を動かすフィットネスやボクシング、バイクなどが人気になっている旨の記事か。

総じて他人の視線を感じずに気分が開放的になれ、自分に集中できる等々という点が人気の背景のようだが、他に音楽体験イベントはじめ変わり種が続々登場とまさに暗闇ブームだ。また暗闇といえば上記の通り体を動かすものに限らずレストランなどは数年前から人気を博しており、メジャーどころでも東京ディズニーランドホテルでもここ数年アイマスクをしてコース料理を楽しむダイニングなど展開している。

五感のうち視覚を遮ることで他が研ぎ澄まされる感覚を楽しむものだが、飽和状態といわれた市場においてもアイデアを絞りつつそろそろ次のステージへと移ってきており、その伸びしろからまだまだこれからも既成概念を壊した新手のモノが台頭してくるのは想像に難くないか。


価値創造

さて、今週は「落ち穂拾い」などで有名なフランス人の農民画家ミレーの世界有数の収蔵を誇る山梨県立美術館が70点目となる幻の作品を購入した事が話題になっていたが、絵画といえば毛色は違うがもう一つ最近話題になったのは競売大手ササビーズのロンドンを中心に活動する覆面芸術バンクシーの絵画オークションか。

同アーティストの作品としては史上最高に並び日本円にして約1億6千万円近くで落札されたのも束の間、直後に額縁に仕掛けられたシュレッダーで無残にも裁断がスタートしたというもの。事情を知らぬ参加者で埋め尽くされた会場は騒然となったが、後に更新したインスタで自身がシュレッダー仕掛けた事を公表するネタばらしとなった。

ササビーズはこの演出を事前に把握していたかどうか明らかにしていないがこの珍事、加えて氏は「ピカソ曰く破壊の衝動は想像の衝動でもある」とし作品を破壊するまでが創作活動だという捉え方もあるという。「赤い風船に手を伸ばす少女」または「少女と赤い風船」と題したこの絵画、気になるその後だが果たして裁断された事によりその価値は更に増し200万ポンド(約2億9,900万円)の値が付く可能性があるという。

規約では落札した作品に傷がついた場合、落札者は買取を拒否する権利があるというが、上記の理由もありで落札者は購入意思を変えることは勿論無いという。今後何所で登場するのか全く未知数ながら、今回の件で一段と有名になった同アーティストの作品が本邦勢含めまた世界の資産家に狙われる事になるのは想像に難くないか。


人工栽培の伸びしろ

本日の日経MJ紙のフードの頁には「初の完全人工栽培」と題し、松茸によく似た近縁種で香りや味が松茸以上ともいわれるバカマツタケの完全人工栽培に肥料メーカーの多木化学が世界初で成功した旨が載っていた。同社は新規事業として2012年に研究開発をスタートし約6年かけて成功した模様。

こんな舞茸以来のサプライズなだけに東証一部に上場している当の多木化学は先週の市場で発表翌日からわずか3営業日でその株価は68%急騰、3日連続ストップ高のあとも世界同時株安のなか日経平均が1,000円以上急落した11日も年初来高値を更新し大幅続伸の離れ業をやってのけた。

このキノコの類で従来人口栽培が不可能といわれていたものでは、今では当たり前に安価でスーパー等で並んでいる舞茸や山伏茸などがあるが、上記の通り舞茸はかつて東証二部に上場していたあの雪国まいたけが人口栽培に成功し囃されたが経緯がある。しかし斯様な企業努力で高級食材が今後ますます安価で手に入るようになってくると、今後の食文化も劇的に変わってくる可能性も十分に考えられる。


築地ブランド継承なるか

東京の台所として機能してきた国内最大規模の卸売市場である築地市場だが、数十年前から浮かんでは消えを繰り返し政治に翻弄されてきた移転案も漸く実現が叶い、いよいよ本日より豊洲新市場が開場となった。一方で先週末に閉場となりその83年の歴史に幕を下ろした旧市場は今日から解体工事が始められた。

最後となった鮪のセリもいつも通りの威勢のいい声が飛び交ったが、長年観光客はもとより地元はじめとした小学校の社会科見学には欠かせない場でもあった。味にうるさいプロ行きつけの場内「魚がし横丁」の名店も食すタイミングを逃しまた次の機会にといっているうちに此処ではもう食べられなくなってしまったが、人気店も新市場では棟毎にバラバラに分かれる。

インバウンドの観光名所として近年その存在感を高めていた築地だったが、この築地ブランドはまさに歴史の積み重ねで今後新たな豊洲市場でこの辺をどう構築してゆくのか、初日は付近道路が大渋滞となり目玉施設の千客万来は開業がずれ込むほか試算では新市場は年間約90億円の赤字になるというが、築地市場跡地活用等々絡め今後も山積みの課題を背負ってのスタートとなる。


責任の温度差

さて、直近の4日続落に対する警戒感などから今日は方向感定まらないまま小反発となった日経平均だが、昨日は東証の売買システム「アローヘッド」のシステムトラブルで買い注文が執行出来ずに下げ幅を拡大させた一面もあり、この障害ではSMBC日興をはじめ約40社経由の売買が一時執行出来なくなる事態となった。

メリルリンチ日本証券が通信状況を確認する為に毎朝送るデータを通常の1000倍以上の量で誤送信したのが原因というが、アローヘッドのシステム障害といえば6年前の2月に200を超える多くの銘柄で一時取引停止になったケースがあったが、その後もデリバティブ障害などが幾度か起きている。

証券会社は今回執行出来なかった投資家の注文を自社責任で受け渡しを行わなければいけないが、障害に備え複数系統の接続要請をしていた東証と異常データ送信を受けた東証の問題を指摘する証券各社の温度差から早くもこの賠償責任を巡り両者で対立が表面化している。賠償責任といえば遡ってあのジェイコム誤発注事件を彷彿させるが、上場企業に適宜開示を要請している東証の開示姿勢を指摘する向きもあり事態収拾は一筋縄ではいかなそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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