288ページ目   雑記

ドミノ再編の契機?

さて今週は週明けの日経紙一面を飾っていた通り、横浜銀行と東日本銀行が共同持ち株会社を作り両行が傘下に入るような格好で経営統合する方針を固めた旨の発表があった。この横浜銀に関しては静岡銀や常陽銀などと共に長年にわたって常に統合のうわさが燻っていたものだが、いよいよ現実のものとなったか。

地銀に関しては当欄でも今年8月に「低PBR離脱」と題して書いた際に「地銀は業績回復の期待のかかるゼネコンと違って利益成長への手詰まり感が否めない。こちらはこうした方向性が出てこない限り、暫くは再編思惑がこの辺の切っ掛けとなろうか。」としたが、果たしてこの日の値上がり率ランキングでは東日本銀行が東証一部で一時トップに躍り出る急騰となり、横浜銀行も続伸となっていた。

上記の通り当欄で触れた8月から2ヶ月一寸で先ずはこの両行が出てきた格好になったワケだが、人口減などで地銀経営環境は厳しさを増しているなかそうした波もいよいよ首都圏行にも波及、これまでと違って健全経営とされた二行の統合で攻めの時代に入った感もあり市場では早くも次の候補探しが始まっている。


またもハロウィーンサプライズ

本日の日経平均は週末に続いて大幅続伸し前場には約7年ぶりに17,000円大台をも回復となったが、それにしても週末の追加金融緩和はサプライズであった。ちょうど前回の当欄では3年前のハロウィーン当日に円相場が急騰し戦後最高値を更新した旨を書いたばかりだったが、またもハロウィーン当日にこんなお化けが出るとは意外であった。

上記の通り株式市場も買い方にとっては思ってもみない【お菓子】が降ってきた格好だが、こうなると個別の値上がりなどかすんでしまう。オプション市場に目を向けてみると、例えば当限コールで先週水曜日にたった1円だった行使価格16,875円コールが、本日は寄付きが545円とたった4営業日で545倍!に大化けである。そのすぐ下の17,000円コールでも週末金曜日の寄付2円がその日のうちに高値165円を付け実に82倍超え、またこの日には2円で寄ったあとに1円の安値を付けており本日の寄付では450円と2営業日で450倍!になっている。

まあ普通の精神で今朝まで引っ張れる向きはなかなか居ないと思うが、ちょうど東日本大震災の時の阿鼻叫喚なプットの大化け再現を今回のコールが演じたような格好になったか。そんな大盤振る舞いも先週末の日経紙社説や春秋には副作用の懸念に言及していたがこの辺は当然だろう。ステロイドも使い方を誤ればその副作用は計り知れない。


漸く市民権

さて明日は毎年恒例のハロウィーンである。ヨーロッパのハロウィーン発祥のケルト人ゆかりの地域に住んでいる身内は学校もこれの休みに入り、「ジャック・オー・ランタン」の力作や地元での盛り上がりの様子を写したメールが今年も送られてきたが、やはり発祥の地だけあって町をあげてという感じの賑わいだ。

日本もそんなワケで先週末などは何処もこれに絡む地域のイベントやらがピークだったのではないだろうか?このイベントも漸く市民権を得たのか数年前から一段とその規模が広がりを見せており、今年の市場規模はバレンタインの約1,080億円を初めて上回る1,100億円規模になりそうだとの報道も先になされていた。

ところでハロウィーンで思い出すのが3年前のこの日の円相場か。早朝のオセアニア市場で対ドルで75円台前半まで急騰し戦後最高値を更新、政府・日銀が約3ヶ月ぶりに単独介入に踏み切ったのが記憶に新しいが、そんな当時や今度どんな進化を遂げるのかに想いを馳せつつ今年も招待されたハロウィーンパーティーに臨むとしよう。


遺伝子検査の行方

昨日の日経紙には「病気の傾向知って予防」と題して、消費者が直接ネットなどで検査を申し込んでその結果も受け取れる「直接販売型」の遺伝子検査が増えている旨が載っていた。前々から都心のアンチエイジング等を謳う自費診療主体のクリニック等でこの手はあったが、今年になってからモバゲーのDeNAがDNA解析に参入したりでにわかに話題になった感がある。

話題作りを後押しした件でもう一つ、女優のアンジエリーナジョリーがこの検査で乳がん発症リスクがあるということで乳房切除手術まで実行した件も思い出す。彼女がやったであろう超高額な検査はさておき、最近では分析器の価格下落もあって検査料も格段に安くなった事が上記の普及に繋がっているだろうが、現段階では提供会社によって解析結果は異なったものとなる部分もあり他にも医師法に絡んだ問題で中途半端な部分も出てくる。

しかしこの検査、自覚症状も無いときに任意で健康管理の一環で調べる人間ドックとはまた異質のもので、上記の未統一な部分と併せ消費者も一寸検査してみようとの思いが頭をもたげる一方では心情的にいろいろと逡巡する部分もあるのではないか。

消費者の心情もさることながら管理面での懸念も。例えば先のベネッセの如くこの手の情報が魑魅魍魎のブローカー経由で保険会社などに出回り、隠密裏に共有されるような事態もないとはいえないのではないか?ある意味更に究極の個人情報だけにこの辺がどう発展してゆくのか興味深い。


成長戦略の行方

本日の日経紙には「混合診療、大病院に限定も」と題して、政府が公的保険のきかない薬や技術も患者と医師の合意等を前提に健康保険診療と健康保険外診の併用を包括的に容認し、身近な医療機関で少ない費用で使えるようにする所謂混合診療の仕組み作りが始まった旨が載っていた。

これまで混合診療に関してはここ数年議論がなされてきたが、同紙には厚労省が示した案はこれが事実上大病院での実施に限られ「身近」が遠のく可能性があるとしている。同省はこれまで療養の給付原則は崩さずと一貫して慎重論を貫いているが、歯科等は事実上混合診療、最近ではボトックスも対象になってきており斯様に患者の選択肢が広がるメリットは多大で是非身近な医療機関への浸透を望みたいところでもある。

ご存じの通り混合診療は安倍政権の成長戦略にも盛り込まれているが、同じ成長戦略の一環として女性活躍を掲げその看板大臣として抜擢された前小渕経済産業相や、松島法相といった女性閣僚が就任数か月で相次ぐ辞任という失態を晒している折、こちらも既得権益の壁になし崩しになる等の事態は避けてもらいたいところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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