340ページ目   雑記

今年の花火

今日で8月も終り。例年夏の風物詩が相次ぐ今月は賛否両論あった中、27日に「隅田川花火大会」が開催された。例年三大花火大会では隅田川が口火を切るのだが、今年はあの東京湾が中止になったりここも一ヶ月遅れの開催となった為に最後の開催となった。

やはり二万発規模は圧巻だったが、今年は三月の大震災もあり大方予想はしていたものの、冒頭の「被災地へ贈る追悼手向けの花」と題された花火でスタートを切り、被災地企業の参加もあった花火コンクールのタイトルには果たして「祈り」、「希望」や「願い」といった言葉が並んだ。

一昨年など不況の影響から協賛金などの都合上で花火大会の中止や規模縮小などが相次いだ事があったが、こんな経済とは別の災難でまた各地で中止が相次ぐとは予想もしなかったが来年にまた想いを馳せたい。しかしこの隅田川、当たり前のように毎度開催されるが日程変更幾度かあれど記憶では一度も天候に祟られたことがないのは素直に凄いなという感。


気が支配

昨晩の米株式が300ドルを超える大幅続伸となったわりに、朝方から個別の気配からして怪しかった日経平均はムーディーズ・インベスターズ・サービスの日本国債格付け引き下げも心理的重しになってかやはり前場で失速、結局安値圏で反落して引けることとなった。

昨日の日経紙「まちかど」では収まらぬ弱気ムードとして株式市場の弱気が収まらない旨が書いてあったが、直近でも所謂アナリストとされる連中を対象にしたアンケートなども一瞥するに横並びの株価見通し引下げで一致している。所謂マスコミ指数なる言葉も一部あるように通常この手の活字が連日紙面を賑わせばその辺が転機というパターンが多いのだが、最近は金相場にしても順張りが利く相場になっている点が雰囲気の違いを感じる。

まあ冷静に見れば株式反発とはいえ、金相場も同時に史上初の1,900ドル超となりまたVIX関連など見ても堅調持続しているだけに自然といえば自然だが、ディフェンシブの超代表格東電があのような事態になりトリプルAを誇っていた米国債のデフォルト騒ぎ等あらゆるものに疑問符が付くようになった昨今は一時的に逃げ先が無くなってもこの手の受け皿が暫くは使い勝手がいいのだろうか。

しかしリビアなど世界情勢も変化を遂げつつあり、リセッションの波がヒタヒタと押し寄せようかというこんなパラダイムシフトの中でも、メディア関係といえば目新しい芸能ネタを押し出してくるあたりやはりこの国は平和なのかとつい錯覚してしまいそうになる。


逆行値上げ

さて、今週はお盆休みでガラガラの東京も高級ブランドの旗艦店は相変わらずの賑わいを通り掛りに見掛けたが、ヒッソリと本日から「ルイ・ヴィトン」は日本で時計と宝飾品の値上げを行っている。製造費用が高くなっている為で値上げ幅は平均で3.8%というが、この円高下いろいろな還元セールが続出している中を独り値上げ敢行する様はさすがなんとも強気な同社ならではといったところか。

ちなみに先に発表されたモエヘネシー・ルイヴィトンの決算は営業利益、純利益共に2桁増加を確保、売上高は前年同期比で13.1&%増と初の100億ユーロを突破である。これらの背景となっているのが新興国の伸びで日本を除くアジアが23.4%増と全体を牽引、此処に限らず他の主力ブランドも似たような決算と地域別売上高となっている模様。

CEOは手作りに拘り、新興国は売る場であってもどんなに生産コストが安かろうがこうした新興国への生産移管は質の低下に繋がるとみて依存を避ける傾向にあるという。事実、数ヶ月前にもフランス中部の山中に新工場をオープンさせているが、やはり数ある高級ブランドでもここまで過当競争と無縁でポリシーを貫けるのはホンの数社でそういった意味では特異な存在。

過当競争と無縁といえば、余談ながら先週末日経紙一面の「新しい日本へ 復興の道筋を聞く」にてコマツ会長の「〜円高で苦しくても値下げ競争には加わらず、率先して値上げしてきた。業界で強い立場だからこそ過当競争と無縁でいられる〜」との話が載っていたのをフト思い出したがこちらは中国が絡むだけに今後の政策と動向に注意、LVMHとは似て異なるか。


牛の時代も・・・

さて、今週は和牛オーナー制度の資金調達で有名だったあの「安愚楽牧場」が、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し保全命令を受けるはこびとなった。今月始めには肉牛の放射性物質汚染問題で、政府は栃木県全域を対象に牛の出荷を制限したと発表していたが、ココの本拠地であっただけにこれが止めを刺した格好になったか。

既にこの牛の出荷制限発表の前日にはオーナー等への支払いを停止している旨が報道されていたが、かつて利殖を謡うこの手のモノは幾つもの怪しい業者が乱立した時期があっただけに、残った最後の砦もいざこうなるとまたぞろあちこちアラ探しが始まるだろうか。

ところで、栃木県といえば肉牛出荷では全国5位のシェアを誇っており、レストラン等でもそのブランド名がそこそこ定着し始めた矢先であった。そんなワケで利殖の方はともかくも、かつては那須へ出掛けた際にはココでよく食事したものだが本当にどれも美味しい思い出があるので何とも残念な件ではある。

しかし、この「安愚楽牧場」といえば、リーマン・ショックの傷が癒えず株式市場が低迷していた頃には電車等で、「株の時代は終った・・・牛の時代が始まった」というようなキャッチコピーの広告をよく目にしたものだがあれから3年、原発ショックのあおりで早くも「牛の時代」も終ってしまったか。


約70年ぶりといえば

昨日のコメ先物取引の復活は実に72年ぶりの復活であったが、周知の通り先週末にはほぼ同じく70年ぶりに米格付け会社S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)が米国債の長期信用格付けを、現在最高水準の「トリプルA」から「ダブルAプラス」に1段階引下げている。

既に欧米経済を懸念して新聞の見出しには大きく「株安 世界で連鎖」とのタイトルが踊る最中のタイミングで実際に格下げしてきたワケだが、米株式など先週からたった3日で1,000ドルを超える暴落など見るに、出ると解っているオバケがいざ出てここまでなお市場が崩壊するものかと改めて驚きを覚える。

しかしここ最近の金融パニックは資金の逃避先も時として不在になるから一層不透明感が漂う。コモディティとて経済減速懸念でエネルギーから穀物まで全面安、ロイター・ジェフリーズCRB指数は先週6月下旬に付けた直近の安値を下回り、約半年ぶりの低水準。まあゴールドなどその性格から乱高下の中にも買われ易いが定番の逃げ先も定まらないのも不気味ではある。

こんな受け皿不在を狙っての叩きには「プロシェアウルトラショートETF」の横行も噂されていたが、ヘッジファンドの45日ルールやら絡めて来週の15日前後まで不安は尽きないとの声も。VIXなど次?のオバケ登場を示唆しているようにも見えるが、何も起こらないのを祈りたいところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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