383ページ目   雑記

夜に見る世相と経済

週末にかけてのニュース等々で業界も暗い話題には事欠かないがこの辺は他でも複数取り上げているので、敢えて柔い話題でもという事でさて同じ週末でも有明界隈で一寸した話題になったのが、エイベックスが創立20周年を記念して企画したあの「ジュリアナ東京」を一晩だけ復活させるイベントであった。

しかしこの手のイベントはまさに同窓会、思えばあれからもう14年も経ってしまったのかなと改めて思うと凄いが、この「The Legend of JULIANAS TOKYO」と称したイベントに絡んではバブル回帰とかバブルの日本を象徴などといった評を多く目にしたものの、その一本手前のまさに今回の会場になった旧「MZA有明」や「ゴールド」あたりが広義でギリギリこのバブル期の範疇になろうかというのが個人的な意見で、札の辻あたりで不釣合いな人種が闊歩していたJULIANA時代は既に一般でバブルと言われたものははや終演を迎えていたのが事実と思う。

まあその辺は兎も角、年内には他に「Twin Star」や「Velfarre」も一夜復活のイベントをやる予定らしいがこの辺になってくるともうウォーターフロントの次の時代、この間経済も激動したが企業も株価もこうしたナイトシーンにリンクする事多々あり遊びの中によく経済が見えたものだ。


ホスピタリティー

本日の日経社会面にはANAプレミアムクラスの宣伝広告が不当表示であったとして、公取委から排除命令が出されていたとの件があったが、ANAといえば先週は国際線のサーチャージを10月発券分から値上げすると発表し、これに続いてJALも同様に10月値上げと追随発表している。

このサーチャージを巡っても今回の件ではないが説明不足等々から消費者とのトラブルが俄かに騒がれた時期があったが、確かに一般論として解り易い仕組みにはなっていないのは事実か。

そうして点で優秀だなと思うのはやはりというかあのシンガポール航空、同社はこういった部分のディスクロもしっかりしているし高級路線な上にサーチャージも日系に比べて総じて安いとくれば人気ランキングを更に後押しするのも頷ける。

しかも日系より売上高は少ないながら営業利益率は遥かに高い事からこうした部分も日系にとっては研究対象になっているようだが、税金や労組やらの問題も絡みそう簡単ではあるまい。

先の航空会社はまた小泉首相が贔屓の赤坂有名割烹と共同企画でファーストクラスの機内食を提供とかだが、ラウンジしかりファーストクラスしかりでどうしても一歩及ばずという感があるのはさながら昨今のホテル戦争にも似た物がある。


さまざまな対決

いつもながら終りが近づかないとどうも後回しになってしまう美術館関係であるが、個人的に好きな伊藤若冲の作品も出品されているという事で過日東京国立博物館にて開催されていた「対決―巨匠たちの日本美術」を観てきた。

しかし、対決といっても何れも日本美術史上に輝く巨匠達、各々の色があるので並べて対決といってもその構成には始めピンと来なかったが、なるほど「静と動」、「現実と空想」、「色と線」等々感性に沿うという部分では個人的にハッキリと軍配が分かれ、なるほどとも思ったりした。

さて勿論のこと伊藤若冲作は見事であったのだが、面白かったのは俵屋宗達作の「蔦の細道図屏風」で屏風の左右を入れ替えても絵が繋がるように構図が計算されているが、これはその約100年くらい前のレオナルド・ダ・ヴィンチ作の「モナ・リザ」が先ず連想されるし、逆に例えば1880年代あたりの中期のエミール・ガレ作に見られたような歌を作品に配する物はその約200年くらい前の本阿弥光悦作の「舟橋蒔絵硯箱」などで既に確認出来る。

何れが意識したか当然定かではないが年代や国を問わず芸術分野でこうした物は多く今回も新たな発見であったが、同じ対決でも斯様な事例の構成でさせるのもまた面白いかなとも思う。


澳門の可能性

昨日の日経紙夕刊で目に付いたのが、今年上半期にマカオを訪れた観光客数が隣接する香港を訪れた人数を半期ベースで初めて上回ったとの記事であった。

マカオといえば私も先月行って来たのだが、以前当欄でも書いたようにさすが40年もの財閥独占をラスベガスに開放しただけあって別の地へ来たかのような変貌を遂げていた。

玄関口からしてベガスサンズの巨大な金色の建物が目に飛び込んでくるがそれこそ約1兆円を投じたベネチアンマカオリゾート等は本場に負けず豪華絢爛、稚拙な表現だが東京ディズニーシーのホテルミラコスタを数倍派手にしたような施設であのシルクドソレイユのZAIAももうすぐ開催とそのままベガスを持ってきたようだった。

一方でショッピングモールは巨大ながらもディフュージョンブランド率が高いのが意外であったが、その直ぐ裏手でオープンを間近に控えた重厚なフォーシーズンズホテルにはシッカリと一流ブランドの冠が輝き荒涼とも思える更地にこの一角との対比が際立っている。

ところで今週マカオの行政長官は今後世界的な景気減速の為に賭博収入は減少してゆく可能性があるとの注意喚起していたが、一カジノの枠に止まらず世界最大のエンターテイメントシティが東洋発で誕生するかどうかファンド関係者まで含めて注目されている。


内から外という考え

世間ではお盆を郷里で過ごす向きの帰省ラッシュが本日ピークを迎えた模様であるが、今年はガソリン価格が高騰した影響で自動車よりも鉄道という利用客も多く見られたらしい。

さて、お盆といえば胡瓜や茄子で作った馬や牛というイメージだが、馬でお迎えするといっても結局は各々の内に秘めた故人の思い出を一層昇華させるという内から外への引き起こしのような気もする。

一方、この夏枯れ相場の時期にマーケットではあれだけ天井論が何処かへ消えていた商品群が釣瓶落としの暴落、また不動産市況も同様なもので「暴落し初めて解るバブルかな」という感じだが、こう見ているとこれまた表面的なファンダメンタルズというより暴騰相場が何時までも永続的に続くという錯覚している内から外へのエネルギー作用が源泉というのを何処かで見掛けた事を思い出すが、両者とも実際のところそうなのかもとこうした時期だけに思う。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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