5ページ目   雑記

隅田川花火大会2025

猛暑のなか先週末は無事に隅田川花火大会が開催された。東京では足立の花火退会が2年連続で中止の憂き目に遭ってしまったわけだがこちらは予定通りの開催となった。隅田川はフィナーレも勿論圧巻だがやはり全国の匠が競うコンテストは外せない。今年は新潟煙火工業の飛遊星モノの「蛍」が優勝したが、個人的には絵画を花火で表現したというユニークさで勝負した斉木煙火本店の「モネの庭」が印象的だった。

ところで近年では花火に使う各種火薬類の高騰に加え、安全確保に不可欠な警備員の人件費高騰などによる運営費コスト増を背景に所謂有料席の導入が急増している。今年の場合主要の約100大会のうち約8割にあたる大会で有料席の導入が見られ、これは過去最多のデータという。隅田川の屋形船もひと昔前から比較するにその料金も随分と高騰したなと感じるが、毎年ベストな場所を提供してくれる人脈の有難みが一層増すというものだ。

ところで花火大会といえばかつてこの隅田川花火大会と共に“東京三大花火大会”の一つであった「東京湾大華火祭」だが休止からはや10年、この花火大会が来年には11年ぶりに復活開催とも報じられている。なんでも中央区区制施行80周年記念事業として開催されるということだそうだが、開催に期待を込めて今から楽しみに待ちたい。


飛鳥Ⅲ就航

先の日曜日の日経紙では郵船クルーズの「幸を編む至福の船旅 最幸時間」と題した「飛鳥Ⅲ」就航の全面広告が目を惹いた。同船は同社の飛鳥Ⅱを超える総トン数で日本最大級のクルーズ船となり、24時間利用出来るジムやプールが完備されており全室バルコニー付きでどの部屋からのオーシャンビューが楽しめる。初航海は横浜港から北海道の函館港や小樽港を巡る7日間の旅になるが、新造船の就航は同社として実に約34年ぶりとなる。

クルーズ業界といえばコロナ禍で一時翁落ち込みをみせるもののその後の回復めざましく一昨年は世界でコロナ前水準を200万人ほど上回ってきている。現在世界は関税リスクに晒されているが、クルーズ事業はこの関税リスクも少なくその需要に減速感が見られない。そういった事で大手のロイヤル・カリビアン・クルーズなどその株価が一時は関税ショックに連れ安したものの今月は特に鋭角的な上昇軌道を描き年初来のリターンは50%近くになる勢いである。

そういった中で日本のクルーズ人口はまだコロナ禍前の6割弱の水準に甘んじているだけに、この飛鳥Ⅲの他にも商船三井はにっぽん丸に加えて昨年末には「MITSUI OCEAN FUJI」の運行を開始し、オリエンタルランドも28年度にはクルーズ事業に乗り出す旨を発表するなど各社が商機とみて次々に投入を図っているわけだが、国交省も日本人クルーズ乗客数の目標として30年までに年100万人に増やしていくことを狙っている。

上記のオリエンタルランドも直営ホテルはバリュータイプ、モデレートタイプ、デラックスタイプ、そしてラグジュアリータイプに分けて展開しているが、クルーズ船も「カジュアル」、「プレミアム」、そしてこの飛鳥Ⅲのような「ラグジュアリー」に分けられる。この手は長年シニア層が牽引してきたものだが、各社共グレードに幅を持たせた戦略で各々今後の舵取りが注目される。


浮かれる裏の暗雲

劇場版「鬼滅の刃」無現城編第一章がロケットスタートとなっている。オープニング成績が歴代1位、初日成績も歴代1位、単日成績でも歴代1位と3つの記録を更新した模様だが、ところで3つの記録といえば衆院選に続き都議選、そして今回の参院選でも歴史的な大敗となった与党も3つの大敗で歴史に残る記録になりそうだ。物価高含め諸々の課題が山積みとなるなか、その対応に対する厳しい民意が表れた格好になったか。

一方で3連休中日の投開票となったことで猶予があったぶんマーケットは冷静に反応し連休明けの大引は小幅続落に終わったが、何とも絶妙なタイミングで日米関税交渉が合意したとの報で本日の日経平均は急騰、個別では大本命?の自動車セクターが集中物色されトヨタは約38年ぶりの日中上昇率を記録し、この合意で日銀も利上げをし易くなるとの思惑から銀行株も一段高、これらの動きからTOPIXも終値ベースで史上最高値を更新している。

ともあれかつて第1次安倍政権下で安倍総理に言った責任論が今回ブーメランのように自分に降りかかる格好になっているわけだが、当の首相は日米関税交渉が正念場な事を引き合いに大臣続投を表明。果たして今回の関税交渉合意という結果が出たことで市場の関心は首相の進退に移るわけだが、もはや自民党自体が総裁交代で復権が叶う構図でもなく乱立する多党制が続きそうな構図は浮かれるマーケットの裏に潜む混迷度合の深まりを表しているか。


土用の丑2025

さて、明後日は土用の丑の日である。この丑の日といえばいわずもがなウナギだが、水産庁によれば今年のシラスウナギの国内漁獲量は昨年比で倍増しキロ当たりの平均価格も前年の約半値で推移しているという。そういった事で少し手頃になるのではとの期待もあるようだが、この辺は成育などタイムラグもあることから一部小売りではやや値下げを意識したところもあるようだが総じて足元では例年並みといったところか。

とはいえ今後はコメよろしく徐々に値段が下がって来る事に期待が募るというものだが、一方で不穏な空気も漂う。EUの動きがそれで、絶滅の恐れがあるということから先にニホンウナギを含むウナギの全種類について国際取引を規制するワシントン条約への掲載提案を正式に決定している。11月~12月に行われるワシントン条約の締約国会議で提案が採決されれば、キリン等の動物と同様にこのウナギも輸出する際に許可証の発行が必要になる。

許可証云々となるとこれまでよりも国際取引に時間がかかる可能性も浮上することになるがこの可否如何で供給量が減少した場合、ウナギに対する需要が現状のままであれば値段は上昇傾向になるか。当然ながら国内で捕獲し出荷する純国産であれば規制の影響はないが、ちなみに2024年の国兄のウナギの供給は約7割を輸入に頼っているのが現状なだけに日本としてはなかなかの打撃になる可能性が高い。

ただこうした保護意識が高まるなか国内でも動きが出ている。先に水産研究・教育機構は完全養殖のウナギを量産するのに必要な基幹技術の特許を取得しており、ここには大手民間企業や大学も協力し連携を図っている。これまでこの手では鯛やマグロなどで完全養殖の商業化が進んできたが、はたしてウナギもこれに続きいつでも堪能する事が出来るようになるかどうか今後の進展に期待したいところ。


次のイグジット

本日の日経紙金融経済面には、日銀が金融システム安定策の一環として2002年から銀行から買い取ってきた2兆4000億円あまりの株式を、金融不安が後退したとして2016年から続けていた売却を完了した旨の記事が載っていた。当時は中央銀行としては極めて異例の措置といわれたものだったが、そこから20年余りをかけてようやくその役割を終えた形になるか。

さてこの保有株式の売却が完了した事で市場の関心は日銀が保有する簿価で37兆円、3月末時点での時価にして70兆円のETFの取り扱いに向かう。この扱いを巡っては野党の一部からはこれを政府が買い取ったうえで分配金収入を子育て支援の財源として活用する事などを求める案などが浮上しているが、このスキームと同じことを既に当欄では2年前に書いている。

他にも日銀勘定から別の機関等に移管・分離させてその出口を探るというバブル真っただ中の一時期に一部証券会社でも流行った?“飛ばし”のようなスキームも挙げたのを思い出す。また相応のインセンティブ付与を前提に売却制限を付けて個人へ譲渡する案などもあったがいずれにせよ一時期は170年かかるともいわれたこのETF処分、今後どういったペースで処理をしてゆくのかが焦点となる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

10

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31