8ページ目   外国為替

6年半ぶりの為替介入

菅首相と小沢幹事長の一騎打ちが注目された民主代表戦であったが、結局下馬評?通りに菅氏が小沢氏を破ったものの、その獲得票は菅氏721ポイントに対し小沢氏491ポイントと党員・サポーター効果でその差は200ポイント以上となった。

結局は首相続投が決まった事で今後としては内閣構造や党役員人事に注目が集まるが、気になるのはマーケット。昨日は前日米株式が10,500ドル回復と堅調地合な上に、直近ではバーゼル銀行監督委員会による新たな銀行自己資本規制比率「バーゼル3」の合意内容が緩かったとの安心感も出て上げに反応し易い地合であったものの、国内はこの続投判明で円高が進み株価は重い蓋をされた格好。

ところが一転翌日には突如として前場から政府・日銀は介入を実施し円は主軸通貨に対し急落、株価は急上昇となっている。続投決定直後からこれ見よがしに為替は82円台まで急騰するなどの嘲笑いに切れてとうとう受けて立った喧嘩という具合だが、単独介入だけに今後はそのテクが問われる。大したこと無いと思われていた奴が暴れると最初はサプライズだが、やはり戦い方が下手と分れば反撃は更にキツくなる。

現状、主軸通貨など欧米諸国は自国の通貨安で輸出を促し、日米金利差の構図もあってその円高構造は変りがない。為替敏感株などの日足を見てみると、どれもこれも打ち上げ花火のような軌跡を描いているが、この実に6年半ぶりの為替介入でそのラインを今回引いてしまった事で単発モノになってしまうのかどうか、真価が問われるのはこれからだろうか。


規制第一弾

さて、今月からは周知の通りFX(外国為替証拠金取引)について上限が50倍とする改正内閣府令が施行されている。この件については過去当欄で何度か触れてきたが、一年後からは更に上限を25倍に引下げることになっている。

この規制で円高が更に加速する云々からビジネスモデル崩壊で業界淘汰論までその影響が前々から論議されているが、前者に関してはもともと高倍率はスキャルパーが圧倒的ということや別なファクターも山積みで全ての要因がそうと適わないだろうか。ただこれらユーザーは少数派とはいえ個々の取引量は高いのでそうした部分では当然の影響は個別ではあろう。

他、所謂規制逃れで海外モノへの誘導等も、なにやら最近はメルマガ等の媒介で口座開設推奨を仄めかす向きも増えてきたが破綻時の諸々のリスクも考慮すべきか。また別な抜け道関連としては法人口座という手も一部で取り沙汰されているが、今更な上にそもそも異質なものを一括りにスライドさせて捉える考えもどうかと思う。

さて、そんなわけで今後の市場参入者と併せ全般リクイディティーも変化してくるかどうかだが、この手の問題はお上がその構造を利用した特定系への規制目的という思惑がある上に、様々な取引形態における所謂「信用余力」の部分を人夫々がどう捉えるかで各々見方が相違してくるという部分から、一括して論ずるのは如何にも難しい問題であると思う。


ジャンク通貨?

さて、本日はカレンシーショップの前を通った際に、トルコリラやメキシコペソなど東京金融取引所で上場延期となっている通貨は今どんな感じなのだろうとふと思ったが、そういえば先週一部大手紙がイラク通貨でトラブル急増と取り上げていた。

こういったマイナー通貨のイラクディナールなどを斡旋するブローカーは前から居たものだが、当時からその流通相場を見れば何れビジネス?が横行してトラブルも多発するだろうなと思っていた矢先、果たしてかなという印象。

まあ、上記のカレンシーショップの外貨宅配サービスにおいてもさすがにイラクディナールの扱いは無く、その辺もブローカー暗躍の素地に加担していると思うが、戦争を経て相場が約2,000分の1にもなった通貨はやはり監理ポスト?これを求めるのは整理ポスト入りした一桁株を買うようなもので、減資(デノミ)でもしたらその程度によっては本当にジャンクになろう。

M&Aから未公開株までいろいろなブローカー(アレンジャー)が居るが、連中の行動を見ていると次に何が流行る?かが見えて来る。投資(投機)の選択肢が急速に広まってきているだけに、益々自己防衛の重要性がクローズアップされよう。


利上げより切り上げ

周知の通り昨日から各紙にて中国人民銀行が08年7月から事実上、ドルに固定してきた人民元相場の変動を再度認め小幅で緩やかな元相場の切り上げを再開する方針であると報じられた。

本日から弾力化することになった改革であるが、もともとその時期についてはが5月の北京での米中戦略経済対話か、来週からカナダで始まるG20・首脳会議前のタイミングといわれていたのでほぼ予測通りのタイミングである。

何れにしてもG20首脳会議を前に打ち出してきたこの政策、「外圧に屈した」との印象を払拭する意味で先手を打った感が強いが、先手といえば全然話しは違うが上海万博を前に物議を醸し出した公式PRソングのパクリ疑惑が盛り上がる中、突如として万博実行委員会から楽曲使用申請が為された一件が余談ながら思い出される。

それは兎も角その変動幅は対ドルで年内3%以内の見方が大勢でこれまた下馬評通り、この程度であれば経済への影響は限定的となろうが、ホットマネーの流入からまたぞろバブルやらインフレの懸念は燻ぶる。ただこの辺は経済先進国入りにはある程度の洗礼も避けては通れず程度問題だろうか。

そういえば株式などたしか前回05年7月の制度改正で約2%切り上がった後には、人民元建て資産の関係でH株相場が上がった経緯があった。また為替なども前回はアジア圏通貨ということで円が買われたが、今回はどの程度反応するのか、何れにしても今後のオペレーションとマーケットに注目である。


悲観の中に?

週明け本日は仏首相がユーロ安容認の発言をしたことや、ハンガリー財政事情が悪化している報道などを背景に同国国債などを保有する欧州金融機関への懸念が広がったこともあってユーロが対円で急落、先月25日の安値を更新する水準まで売られた。

ドルもまた対円で急落、前週末の米雇用統計の結果で民間部門の伸びが低かったことが背景にあるが、このドルに対してもユーロは4年3ヶ月ぶりに1.18ドル台に下落となった。コモディティーで著名なジム・ロジャーズ氏などは内部腐食が続きいずれユーロは完全に消滅するだろう等との見方を示すなど斯様にこの通貨は満身創痍の状況である。

しかし何処の世界でも「人気」というのは面白いものだ。少し前までは石油代金の支払いをイランなどユーロで求めたり、当欄でもスーパーモデルのジゼル・ブンチェンがギャラをユーロで要求等という噂が出たり映画のワンシーンでワケありのデリバリーをドル以外で求める場面が度々登場したりとコメントしたこともあったなと思い出す。

まあ、もともと国際競争力はもとより経済力も違うものを単一為替で括ってしまうところに無理がある部分は否めないところであるが、それでも数回は基調転換があろう。こんな雰囲気で新興国も積極投資から転換などと謳われているが、こういった事が喧伝されているうちにいざ蓋を開けてみたらそれらの国に先を越されていたなどという可能性もまた秘めている。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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