9ページ目   外国為替

悲観の中に?

週明け本日は仏首相がユーロ安容認の発言をしたことや、ハンガリー財政事情が悪化している報道などを背景に同国国債などを保有する欧州金融機関への懸念が広がったこともあってユーロが対円で急落、先月25日の安値を更新する水準まで売られた。

ドルもまた対円で急落、前週末の米雇用統計の結果で民間部門の伸びが低かったことが背景にあるが、このドルに対してもユーロは4年3ヶ月ぶりに1.18ドル台に下落となった。コモディティーで著名なジム・ロジャーズ氏などは内部腐食が続きいずれユーロは完全に消滅するだろう等との見方を示すなど斯様にこの通貨は満身創痍の状況である。

しかし何処の世界でも「人気」というのは面白いものだ。少し前までは石油代金の支払いをイランなどユーロで求めたり、当欄でもスーパーモデルのジゼル・ブンチェンがギャラをユーロで要求等という噂が出たり映画のワンシーンでワケありのデリバリーをドル以外で求める場面が度々登場したりとコメントしたこともあったなと思い出す。

まあ、もともと国際競争力はもとより経済力も違うものを単一為替で括ってしまうところに無理がある部分は否めないところであるが、それでも数回は基調転換があろう。こんな雰囲気で新興国も積極投資から転換などと謳われているが、こういった事が喧伝されているうちにいざ蓋を開けてみたらそれらの国に先を越されていたなどという可能性もまた秘めている。


在り得ない事も在り得る

そういえば今月アタマの日経紙家計面では「FX=投機商品・意識に変化の芽」としてリスク管理の整備進む等と特集が組まれていたが、そんな折に直近で話題になったのがカウボーイも一寸触れている通りFX市場の「くりっく365」で起きた南アランド・円が僅か1分間そこそこで30%も暴落してしまった事件か。

某マーケットメ−カーがボラティリティーリスクを踏まえてワイドなスプレッドを提示(ということになっている)していたところにヒットしてしまったという一連の流れであったが、当初システム障害によるものではなく正常な取引を謳っていた取引所側の動向が注目されていた折、果たして希望する顧客対象に特別救済措置を取るまでに至り一見収まったかのようにも見えるが公設市場だけにいろいろと注目度も高くなる。

さて、バクレートと一言で安易に使われているがこうしたケースは個別株オプションからワラント、一般個人が瞬時に数億円の利益を弾き出して話題にもなったあのジェイコム事件や、商品先物からはTOCOMの石油製品でとんでもない値段が付いた事もあったりと過去いろいろなケースが幾つも浮かぶ。

在り得ない値段あり、在り得ない株数もありのケースでは古くは仕手株に絡んで受け渡しをキャッシュなどでというパターンがあったが、近年のジェイコムなどでも在り得ない株数の約定からこのケースとなり、そう考えるとこうした部分は当時からあまり克服出来ていない課題とつくづく。何れも多くが共通してシステム問題が論議されるのだが、ケースバイケースでそのマーケットの線引きというか裁量ほど難解なものはないとも感じる。


形式と実質

CFDNOW!FOREX PRESSのピックアップでも既報の通り、先週末には金融庁がCFD取引について概ね一年を目処に証拠金規制を導入意向と発表している。

金融商品取引所法の改正を受け、政令・内閣府令案公表。11/16まで意見を募集としているが、前述したように倍率規制案はFX等と並行して行われていたというコンセンサスもあり、他のデリバティブも同様に順次という感じだろうか。

さて高リスク取引と見られている取引を巡っては、過度に高い倍率で預け入れた証拠金以上の損失を被るケースの未然防止が論拠であるが、構造上そのボラティリティー如何では役所が想定している範疇においても実質レバレッジにおいての抵触というケースも出て来るわけでこの辺がなんともまだ双方において再考の余地在りとも感じられる部分である。まあ、いろいろ突詰めれば倍率規制が投資家保護になるかといえばそう単純ではないだろう。

FX等も含めて段階的に絞めてきた規制によって先ずは一時的かどうかマーケットも縮小するのは想像に難くないが、その度に業者側も篩いの洗礼は避けられないのは明白。本来は業界の内から自主的な自浄気運というパターンが理想的なものの、当初から否応無しに型に嵌められてしまうのもこうした毛色の業界が作ってきた軌跡と思うと機会提供の意味合い等考えるに複雑な想いも出てくるのは否めない。


大証FXと新興市場の行方

さて、今週は一昨日から大阪証券取引所で国内証取としては初めてのFX市場「大証FX」が開設し取引が始まっている。取引所FXとしては東京金融取引所「くりっく365」に次ぐ2番目となるが、初日の取引高はこの「くりっく365」の2%であったという。

この大証もたしかシステム整備の調整やらで二度に亘る延長期間があったり、直前で関西地盤の岩井証券のドタキャンがあったりでバタバタだったが、今後の大手等の参入出揃いでこの方面への活路を見出せるかどうかポイントか。

また昨日はこの大証と小会社のジャスダック証券取引所が来年4月1日に合併する方向で最終調整している旨の報道もあったが、その後の展望としては同所が擁する「ヘラクレス」とこの「ジャスダック」を統合し新市場はジャスダックブランドを継承する模様とか。

この辺で思うのは結局、当初のホールディングスを設け市場を傘下にという形態を採るより合併という形態を採ろうかと見据えている所以なのかなと。取引所関係者の間には現況に則し新興市場は過多とする見方も多く、同所が台風の目となって更なる再編促進となるかどうか今後が注目される。


投機の解釈

先週末からにわかに日経紙中心に報道され始めたのが、所謂FXにおける証拠金倍率規制の問題である。

FX規制に関しては先に金融庁が業者が顧客から預かる証拠金について信託保全を義務付ける事を決めたばかりであるが、その頃同時に出ていたレバレッジ規制に関しては利便性の観点含め暫くは規制は難しいだろうとの意見もあがっていた中での今回の報道なだけに、いろいろと物議を醸し出しそうだ。

商品のミニ取引よろしく二本立てという線はとも思うが、CB導入後の商品先物とも絡めお上のいうところの投機的という部分はこのレバレッジの一律規制同様にその解釈にはまた不透明な部分山積みか。同規制は所謂相対取引の店頭業者のみならず取引所取引の業者も行政処分をチラつかせてその対象になっているという事でもあるが、手数料無料化を謳う向きの圧迫や税制上の観点から実のところ店頭規制の色合いが濃いのではないかと一部勘繰る向きも多い。

今後取引所も含め業者もFX以上の速度で急成長が見込めるとCFD取引等への参入表明が続々と出ているが、そのビジネスモデルを構築する上でも一連の成り行きが注目されるところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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