6ページ目   外国為替

覆面介入

本日の日経平均は反発し終値としては昨年10/28以来約3ヶ月ぶりに9,000円台を回復していたが、この辺はやはり本日の円の下落も大きく寄与していた感も。ところで円といえば昨日財務省が詳細を発表した件に2011年10-12月の為替介入があり、「覆面介入」も11月1〜4日の合計で計1兆195億円行っていた事が明らかにされている。

この覆面介入を実施するのは2004年3月以来約7年半ぶりといい、政府関係者は介入効果をより高める為に意図的に覆面介入を行ったとしているが、その後の米財務省半期為替報告書ではユーロ・ドルより円・ドルのボラが低い状況は無秩序と言えず米は斯様な状況下での介入は支持しないと日本の為替介入が厳しく批判されている。

先月には31年ぶりの貿易赤字というのが大ニュースとして報じられていたが、今年も貿易黒字に戻るのは困難で多分来年は今年ほど大きく取り上げられるニュースにはならない筈、一部輸出企業の納税も絡んで選択の余地が無い決断かどうかだが自国通貨売りは云わば諸刃の剣、国と国民の兼ね合いでも介入正当化の均衡点も考えたほうがよいだろうが今の政府にそれは難しいか。


ハロウィーンに戦後最高値更新

さて、ハロウィーンの本日は周知の通り円相場が早朝のオセアニア外国為替市場で一時1ドル75.32円まで急伸し、戦後最高値を更新した。直近の円高に対してオオカミ少年のように「断固たる措置を取る」と繰り返し判で押したように発言してきた財務相だが、この動きを受けて政府・日銀は8/4以来、約3ヶ月ぶりに単独介入に踏み切った模様。

肝心の円相場はこれを受けて前場半ばに急反落、一時1ドル79円台半ばまで3円以上急落となったが、直近ではこの時を待って鞘を抜こうとドル買いが溜まり「くりっく365」など買越残高が月初の1.5倍まで膨らんでいただけに、今回は絵に描いたような久し振りの美味しいタダ貰いになった計算か。

しかし1〜2日にはFOMC、そして3〜4日にはG20首脳会議と重要日程を間近に控えよく思い切ったものだと思ったりもしたが、これで大量のFXドルロングが手仕舞いに出され、FOMCでは「伝家の宝刀」QE3でも打ち出されたらと思うと折角の介入効果が心配になってくるが、まあこれだけ株価が持ち直している状況下でQE3ナシと見て踏み切ったか。

25日付けの当欄では「協調のハードル」として「〜政府はどう出るかこの辺が引続き注目されよう〜」と末尾に書いたが曲がりなりにも一先ず本気度合いを見せた格好になったものの、口先介入の玉が尽き戦力の逐次投入へ移行した感は当然拭えない。まあタイミング的には上記の通りサプライズで辛うじてこれを書いている時点で3円ほど円安になっているが、日経平均は見事に打ち上げ花火の如くの上ヒゲ陰線で再度9,000円の大台割れの安値引け。当の日銀のデフレ選考構図も続き、今後も予断を許さない状況に変りは無いか。


協調のハードル

本日の外国為替市場では、米国が追加金融緩和に踏み切るとの観測が広がった結果円相場が続伸し、東京市場として9/21につけた最高値である76.11円を更新となった。この円相場、先に週末のNY市場で1ドル=75.78円に上昇し市場最高値を更新しているが、マクロファンドのショート説やら仕組み債ノックイン説やらが目下飛び交っている。

しかし要は日銀が円安政策を導入しないことに投資家も業を煮やしてしることだけは間違いなく、昨日は財務相が円売り介入の準備を財務省に支持したことが明らかにされていたがこれも何処と無く虚しい。実際に介入となれば今年8月以来の事であるが、周知の通り先にスイス国立銀がスイスフランの上限目標を掲げ目標達成に向け必要に応じて無制限介入を実施する方針に倣うとの観測も一部出ている模様だ。

しかしどうだろう、そもそもフランと円では世界の通貨売買に占めるシェアが違い過ぎ、これだけ取引量自体が違う中ではたして同様の効果が得られるとは考え難い。結局多額の介入で腕力介入となるも、景気減速に歯止めがかからない米に火消しに躍起になっている欧州等との協調はハードルが高く聳え、その効果にも疑問符が付く中で政府はどう出るかこの辺が引続き注目されよう。


企業の円高セール

さて、M&A助言会社のレコフの集計では日本企業による海外企業のM&Aが活発化し、今年1〜8月の累計が昨年1年間を上回ったことが先週報じられている。バブル期に次いで2番目の水準に達しており、特にアジア向けは前年同期比で5割増といいこれまでの最多を更新した模様。

直近で加速した背景にあるのが震災による不透明なビジネス環境への対応が進み中断案件が復活、PEファンドのエグジットの用からオファーが増えてきていること等もあるがなんといっても追い風になっているのは昨今の円高。70円台後半というと既に円安というイメージが出来上がっているほどに最近は円高水準が定着してしまっているが、直近では対ユーロでも約10年ぶりの円高水準にまでハネ上がっている。

先に財務省は緊急円高対策を発表、それ自体はステロイドというより漢方的な処方であった為にマーケットに対しては殆ど材料視されなかったものの、外為特会資金を使った1,000億ドル緊急融資枠設定など限定措置ながら日本企業による海外企業のM&A促進など意図しているとも取れる。

ただ一方で、最多更新のアジア地域などコンプラ体制や法整備等が遅れている面もありリスク管理の重要性が問われよう。また対象企業の株価水準によってはエクイティフアイナンスの用も出て来るだろうが、周知の通り昨今の市場は低迷しているだけにはたして強行できるかどうかこの辺も次の課題としてみておきたい。


出資証券事情

本日も日経紙の一面は「円高で海外シフト・4割」等と相変わらず為替関係の記事には連日事欠かない状況が続いている。直近でも先物買越残高が前週比で増加してきており、投機筋側もなお円買い余力があるといわれているが関係者には戦々恐々の状態だ。

財務大臣も金太郎飴のように「動向を注視しあらゆる手段を排除せず断固たる措置を取る」と繰り返すばかりだが、よく考えなくても動向を注視する仕事だけにわざわざ言葉に出すまでも無いだろうし、FRB議長講演を前にはたして落ちてくるナイフを掴めるのかそう考えるとあらゆる手段も万策尽きた感さえ漂う。

前回はこのナイフを掴んだ途端にFOMCがゼロ金利政策維持を打ち出し怪我をしてしまった経緯から、介入は出来ればFRB議長講演まで温存しておきたいところがみえみえだが、その間に市場に虐められないだろうか?日銀総裁も充分な金融緩和を実行したとは言ってみたものの相場を見ればそうだったのか一目瞭然、このまま小出しな金融緩和に終始すれば在任中の金利上げなどとても実現せずに終る可能性が濃厚だ。

ところで日銀といえば株式(出資証券)も低迷、本日も300円安の40,500円と先の年初来安値近辺まであり約10年ぶり近くの安値を付けている。この円高や米国債の格下げで外貨建資産の目減りが懸念されているほか、過日の日経紙「まちかど」ではリスク資産であるETFの買い入れが中央銀行の信用力低下に繋がりかねないとも書いてあったが、出資証券価格と共にその手腕が問われようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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