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政府の押し付け

さて、本日の株式市場は後場から先物も主導し続伸。中身はこのところ低位株が活況だが本日は東電も1億株以上の商いを集めて反発、これは4月から実施する企業向け電気料金の引上げ幅を平均17%と発表、正常化に向けた第一歩として評価されたものだが、この方針も32年ぶりの大幅値上げとなるらしい。

日経紙には他電力と契約もというような記事が出ていたが、この他社にしても構造上はゆくゆくこれに絡んだ件は課題になってくるだろうし、併せて家庭向けも視野に入ってくるのは避けられない問題となってくるか。ところで原発事故で東電と共に売られた原発銘柄の木村化工機もここ急反発してきているが、同じく日経紙には原発を20年延長する例外規定を政府が認める方針と出ていた。

原発というナーバスな素材を巡って、震災後は企業がある面ではスケープゴートにされてきた部分もあったが、ここへきてヒストリカルにみてみると上記の件も果たして二転三転してきている。企業に押し付けられるうちはまだよいが結局政府の確固たるスタンスが見えてこないところこそ問題にすべきだろう。


内輪の課題

本日の日経紙始め各紙では、総合取引所法案を通常国会に提出する方針を固めた旨が載っている。果たしてというか監督権限は金融庁に一本化、商品業界主務省の抵抗もそろそろ限界が見えてきた感もあるがさてここからも紆余曲折があるかどうか。

ところでその商品業界といえば先週末の日経紙にて「東工取、現行システム継続」と出ていた。昨年11月にも一寸触れた通り東工取は2014年5月にライセンスが切れるが、同紙が報じている通り現況では大証との共同化を見送り現状を維持する方針としている。統合の光が見える一方で、両者のシステム案が見えず下手に何れかとの共同戦線を取り辛いという状況下では確かに選択肢も限られようというもの。

同所は先の決算で通期純利益を叩き出しているが、中身はやはりJCCHの貢献に因るところが大きいのは一目瞭然。斯様に脆弱ともいえる構図では何れにせよコストの負担は大きくこの辺とも併せて考えなくてはいけなく、まだまだ個別では模索が続く。


経産省に翻弄される企業

さて、先週末の日経紙一面を飾った記事に、インサイダー取引疑惑で元経済産業省幹部が逮捕された一件が載っていた。この手の疑惑については当欄でも「情報は一流であったが妻の口座を使う等、張り方が三流もいいところでまだまだ素人〜」と書いた事があったが、規模が小さいわりに公職の特権悪用とされているだけ世間の風当たりが強い。

そのインサイダー銘柄となったエルピーダメモリだが、現在再建中の同社は今年3月末まで計450億円の社債償還、金融機関には約500億円の融資返済が必要な他、4月上旬にはメガバンクなどからの協調融資の一部約770億円の返済期日も迫っている。まるでイタリア国債の如くの爆弾を抱えている状況で、産活法適用の期限切れを3月末に控え再建計画の練り直しで産活法の再認定を狙っているが、こんな一件で再認定を主導し辛い雰囲気など出て再建支援に影響が出てくるような事態になればこれは迷惑な話である。

経済産業省が絡む企業といえば渦中の東電なんぞもまた然り、目下のところ再建計画も課題山積みのまま山場を迎えるがそんな中でもこのスキームを巡っては各紙の報道もバラバラのリーク合戦である。これは結局のところ政争の具にされているということで、政府が一枚岩になっていないことの表れというのは疑う余地が無い。

両者共にもはやコンサバ系の投資対象銘柄ではないものの、果たして株価の方は上記を嫌気する格好でボロボロの様相。政府が一枚岩で纏まり、また雑魚クラスのスケープゴートもなければまた株価も違った展開になっていたのかもだが、こんな愚に付き合わされる株主もまた可哀想である。


歌会始

本日の株式市場は3営業日ぶりに反落となったが、依然として狭いレンジでの動きが継続している。そんな中で今週派手に乱高下の動きが目立っていたものに橋梁系がある。日本橋梁の連日の急騰始めとして東京製綱も急騰、これらもともと大発会以降出来高が急増しており放り上げの準備が進んでいた感じだが、上手い具合に首都高速道路の大規模補修構想がこれと前後して伝えられるなどお約束のように材料出現となった。

さて、この手の物色でもう一つ連想されるのはやはり新年の皇室行事「歌会始の儀」で、ちなみに今年のお題は「岸」。上記銘柄以外にも五洋建設やそのまま岸が付く川岸工なども突飛高したりで、上記銘柄含めて岸から連想されるものが循環物色されていたような感もあるが今年の場合復興需要も期待されている折、相乗効果抜群といったところか。

この歌会始もなかなかの神通力で数十年前の大和ハウスの暴騰あたりから始まった模様だがちなみにその時は「家」。その他もまだ証券界が元気だった頃のウォーターフロント大相場のときは「水」であり、「車」なら01番で日産自動車、かつてのビクターが大天井をつけた時もお題は「音」であり、近いところで昨年は「葉」でJTが年間で20%上昇と日経紙まちかどでも載せていた。

これらこじつけと言ってしまえばそれまでだが、情緒などまったく無い高速取引等が横行する今の市場、せめて「十二支」やこうした「お題」などが材料になる風情だけはいつまでも残っていて欲しいところ。


金を取り巻く関係者

昨晩の金は大幅高し年初来高値更新の動きでTOCOMもしっかり。さて金といえば、昨日触れた年明けの日経紙「経営者40人に聞く」景気・株価2012年私の見方とした特集が載ったのとちょうど同じ日にテレビでは、「ガイアの夜明け新春特別版・ゴールドラッシュの真相を追う」の放映もあった。

マクロをタラタラと語って時間を潰すよりもそこそこ俗っぽい映像も織り込んでなかなか面白かったが、以前から行われていることも今更ながら金ブームと煽って映像にするとリアリティーあるものへ仕上がるものだ。登場人物としてはお馴染みジム・ロジャーズ氏など銀座のTANAKAでこれ見よがしに金工芸品を大人買いしていた映像があったが、一方で氏はこの番組が放映された日に金相場については、「調整の時期に来ており、1オンス1,200〜1,300ドルまで下落する可能性がある」とロイターに語っている。

しかしこうしたメジャー系の一方で、この金ブームならでこそ表舞台に出てこられるような向きも中には登場していたが、脛に傷持つ輩は後々やはり問題視される可能性が高いだろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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