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選択肢の幅

今週はバーナンキFRB議長の弱気証言もあったくらいで株式も商品も崩落したマーケットであったが、もともと米政府系住宅金融会社の経営不安というとんでもない話が表面化していた折、売り方に取ってはまさに追い風であったか。

そんなわけで米金融株は96年来の安値に急落、金融セクターの時価総額は昨年記録した過去最高水準から半分以上が吹き飛んでいるあり様で、果たしてと言おうか早速米SECは上記含む金融株の空売り規制緊急措置を導入すると発表している。

対象銘柄には日本のみずほFGや大和證券Gも含まれている模様だが、みずほといえば思い浮ぶのは前身?であった興銀の90年代の下げの大相場か、ジョージ・ソロス率いるクォンタム・ファンドがイングランド銀行をも脅かす時世で魑魅魍魎のヘッジファンドのターゲットに次々と日本の銀行が餌食になっていったのを思い出す。

直近ではベアー・スターンズの件もあり其れなりに同手法に対しては昔と違って監視の目は格段に厳しくなって来たが、今の時代こうした規制下ではデリバティブ系のショートものETFもまた存在しこれらに資金がまたシフトという構図になるのだろう。


銀行様様

さて本日は日経紙の裏に「金利にびっく利!」として東京スター銀行の円定期の広告が載っていたが、同行といえばATM手数料を取らないと良心?的で通っていたもののMUFGあたりは以前より言っていた相互利用契約解除をいよいよ行う模様とか。

メガバンクといえばこうしたコスト削減案はもとよりサブプライム問題で沈んでいる折海外強化の戦略も出ているが、この辺についてはちょうどアジア・イノベーション・イニシアチブにてUAE政府系投資ファンドの最高経営責任者が「邦銀は海外の投資銀行が苦しんでいる機会を何故つかまないのか?」と発言、消極的な規模に歯痒さも見せている。

それでもメリルに出資したみずほに続きバークレイズへは三井住友が出資を決定しMUFGも機会を伺っている模様だが、メガ以外でも今月には4年7ヶ月ぶりに再出発した足利銀行が大株主野村体制の下で始動しており、この辺を核に再編に変化はあるかの行方も気になるところだ。


5年後の難物

本日も株式市場は力なく続落、昨日の43年ぶりから11営業日連続は実に半世紀ぶりの記録とかで東京市場は依然として冴えない動きのまま安値に落ち込んでいる。

ここ数日はTOPIX型に売りバスケットが入るなど大型系には万遍ない換金売りで、当然金融株もその憂き目に遭ってっているが、金融株といえばみずほFGは5年前だったかに出した一兆円増資で発行した優先株が今月から普通株に転換出来るようになっている。

資本不足解消の荒業というかまあ不良債権処理の遺産?が此処へ来て表に出て来た形だが、30営業日で決まった転換価格は50万ちょっと、全て転換されれば普通株はそれなりに増えその分希薄化が進む。

その割には春からの日経平均上昇過程で自社株買いやらストックオプションに絡んだ思惑もあって他のメガバンクに比べ上昇が目立つ展開であったが、ここ米金融機関の追加評価損計上懸念が再燃、売りにフォローのこうした構図では以前の三菱自動車あたりを彷彿させる。


株主総会模様

本日で実に43年ぶりの10連敗と冴えない動きになっている日経平均、その間先週末には約1,300社が定時株主総会を開くなどピークであったが、その役者は変ってもやはり旬なファンドには戦々恐々、村上ファンド時代の東京スタイルを彷彿させるような注目度としてはTCI(ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド)によるJパワーへの提案がそんな形だったか。

先にアデランスがやはりファンド側の提案で取締役再任反対となったが、半官半民?モノはやはり壁が厚かったのかTCIの提案は果たして否決、株価も権利落ちならぬ“失望落ち”では賛否両論双方ヤレヤレという感じだろうか。

一般に経営者を脅かしているのか規律を与えているのかはその立場で変ってくる部分もあろうが、ただ既得権益を守るが故の大義名分が横行するのであればそれこそ地盤沈下を助長させるような懸念も出て来るだろう。


TOPIX mini

今週の気になった出来事といえば東京証券取引所が月曜日に上場した「ミニTOPIX先物」・「TOPIXコア30先物」等か。

昨今は何でもミニ化が流行っている風潮だが、先にミニ化といえば大阪証券取引所が始めた「ミニ日経平均先物」の活況がトリガーとなっており、当時に当欄ではCMEでミニがラージを抜いた経緯をコメントしたが果たして大証でも既にそういった状況で後追いしているのが現状。

TOPIXでさえもその性格上から上記の通りコア30を作っている折、マゼマゼ算出の日経平均は言わずもがなで時にNT倍率もボラタイルな展開になって来ると其れなりに引き合いもありかなとも思ったりするが、しかし早々のTOPIXミニ化で扱い証券の対応も含めてさて今後どう成長してゆくか。

ところで東京証券取引所といえば月末にも「金ETF」を上場させる予定であるが、こちらはまた後ほど。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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