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重大では無い犯罪

今週話題だったのは、やはり狡猾に不正会計をやってのけた日興コーディアルグループの上場維持を東証が決定したことだろう。

決算の虚偽記載という部分で他とのバランスを謳っているが、甚だグレーなその部分の裁量は東証に委ねられているわけで元々黒なところに400億水増しくらいは大目に見てもいいではないかという事か。

あの竹中前総務相も昨日のシニア・ライフ・シンポジウムで「上場廃止・維持の基準が本当によく分からない」と言っていたが、金融庁との罰則に大きな差が出る中、グレー企業が裁けない現行制度には早急に基準の明確化が求められよう。

結局投資家保護という大義名分を盾に、東証の一株主である顔色を気にしての今回の決定となったと言う向きが居るのは当然といえば当然だろうか。


高収益の裏側

さて先のぶり返しと言おうか今度は米国発で株式市場、為替市場が再度大揺れとなっている。

事の発端はサブプライムローンが指摘されているが、この件は昨年から言われ始め今月に入ってからはその象徴銘柄であるニューセンチュリーが暴落し、昨日はとうとう取引停止から上場廃止の流れにまでなっていた。

この住宅系ではローン債権をパッケージ化して組成するデリバティブまで引き合いがあったらしく、静かに弾ける素地が醸造されていたという事か。

何れにしろ先に上海が弾けたが中国とて金融引き締めにさしたる効果が無く銀行融資が甘めになった感もあり、こうしたところの不動産投機はさながら我が国のバブルを彷彿させるに充分ではないか。


転換促進相場

さて病み上がりの日経平均はフラついた中で反落となったが、そんな中を目立っていたのが連日の昨年来高値更新となっている新日鉄であった。

「来年は新日鉄を筆頭とする重厚長大モノに嫌でも期待がかかる」と別のコーナーに大納会のコメントを書いた記憶があるが、それにしても3億6千万以上の商いをこなす凄まじさで900円の大台タッチでは関係者の上場来高値が指呼の間という掛け声も威勢がよくなるだろう。

思えば同社、昨年秋口に主要行に対して3,000億円の優先出資証券を発行しているが、現在の時価であれば転換権を行使しその安定分の比率は高まっている筈。

表向きは普通に設備投資の資金調達としているが、今までの経緯を見るとこの辺はやはり敵対的買収の防衛策の一環かもしれない。


大入り袋

本日の話題は何といっても過去10年間で最大の暴落を演じた上海発の世界同時株安、NYダウも米同時テロ直後に次ぐ下げ幅を記録、東証も早々にサーキットブレーカーを発動しザラバでは700円以上も急落、値下がり銘柄数は全体の97%を占め時価総額は18兆円の減少となった。

当然ながら商品相場もそのあおりを受けてストップ安続出であったが、両者共に投資物は近年何かと中国に傾斜していたので想定外とはいえ自然なコレクションというところだろうか。

今後PERの妥当性やら新興国市場に対する見方も慎重になって来ようが、結局市場環境が劇的に変化した訳でも無く、東証一つ取ってもしっかり手の入っている物は寄付から日計りでも充分一回転が効いた状況である。

余談だが全般では日経に出ていた「立花の大入り袋」は今回も見事指標になったか?


本日前場に金融庁は自民党の関係部会に公認会計士法の改正案を提示していたが、粉飾決算に関与した監査法人に事実上の制裁金である課徴金を課す等、規制強化色が一段と強くなった。

まあ今が話題の日興コーディアルや、年明け破綻したIXIも粉飾の疑いと本日報道されていたが会計不信も極まったというところか。

本日の大手紙だったか新興市場の不振に触れており市況も新興3市場共に下落となっていたが、こうした監査を強化すれば「叩けばホコリ」ではないが何が出て来るかわからない恐さと不信感をマーケットは如実に表しているという事か。

これも極端になって個別でオーバーナイト控えの動きが顕著化すると、またデイトレ時代第二幕の懸念も出て来よう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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