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門戸開放と野望

安部改造内閣の顔ぶれは決まったものの、特にこれが材料にもならず本日の日経平均は小動きな上に東証一部の出来高は大発会を除いて今年最低となっていた。

さてそれは兎も角、昨日からSBIホールディングス率いる私設取引システム「ジャパンネクストPTS」の運営がいよいよ始まり、初日の売買代金はといえば上記の通りサブプライムローン問題の影響からか様子見姿勢が強く結局一億円強となった模様。

この夜間取引、従来他社も個別に開設していたが参加者は同PTSを運営する証券会社の顧客に限られた為に、昨年に当欄でも何回か取り上げ指摘したようなリクイディティーにおけるリスクがあったのだが、ジャパンネクストの場合は順次他社も接続予定で何れにせよ日本最大規模となる見込み、将来は取引所化も視野に入れているらしいがこれによりこうした部分が改善されてゆくのかどうかその行方を見守りたい。


自然からのメッセージ

なかなか気の利いた言葉が見つからないがまあ単純に連日の猛暑なのだが、電気事業連合会は本日電力10社合計の21日の発電量が6年ぶりに過去最高を更新したと発表していた他、東京電力が予め合意した一部の需要家への電力供給を一時的に減らす「需給調整契約」に基づき大口需要家への送電抑制を17年ぶりに実施するという、電力供給の緊急対策に乗り出したとの報道も各紙に見られた。

既にこれの対象企業の一つである東邦亜鉛等は生産を事実上停止、話は違うがそういえば先月は例の新潟県中越沖地震で上場企業ではトヨタ筆頭にリケン等も操業停止に追い込まれた経緯があるが自然というか地球からの警鐘とも取れるのは気のせいか。

株価で見れば上記のトヨタやリケンも一時これらを乗り越え、その体力というかグループ力の評価からか切り返す動きをみせたものの再度株価は往って来い、株式も対象企業は操業停止リスクというのも昨今見ておかねばならないのかもしれない。


忘れた頃の清算

週末には最近の「サブプライムショック」に絡んで住専を少し引き合いに出したが、その住専関連から週明けの本日は帝国データバンクよりあの麻布建物が今年最大の負債5,648億円で破綻というニュースが舞い込んできた。

ご存知住専の大口融資先であった同社はあの末野興産と共にまさに当時を象徴していたが、関係者には株式市場の方が有名で小糸製作所買占め事件ではピケンズ氏のダミーかとの噂が当時絶えなかったのを思い出す。

昨今の市場を見るに当時でもこの狙い先にあったトヨタの行動は毅然たる物であったと余談ながら感心するが、一時フォーブス誌にも富豪で載ったバブルが久し振りに一つ消えた。


似て異なる

さて今週の株式市場、商品市場は内外共に例の「サブプライム」問題が振り回した感があった。

しかしこのサブプライム、米ハーバード大が運営するハーバード・マネジメント基金が先月は約半分の資産を失ったり、今週に入ってからは全米10位のアメリカン・ホーム・モーゲージ・インベストメントが今年2番目となる大型破綻となったり、これらからヘッジファンドの巨額損失、清算が相次ぐ等信用収縮は尽きない。

これらを見ているとかつての日住金が紙屑になった破綻劇を思い出すが、米国の場合極端に天下りが居座っている訳でもなくまたジャブジャブと公的資金を注入する訳でもないわけで酷い状況は変わりないにしても未だ或る意味解り易いか。


梅雨明け相場

今月に入って漸く気象庁が梅雨明け発表したが平年に比べ12日、昨年に比べて2日遅く、関東の梅雨明けが8月にずれ込むのは1951年以降4回目とか。

まあ明けただけに連日の猛暑が続くが6/14に当欄で「入梅」としてコメントした際、「株式では海運が乱舞しているが猛暑関連のポストは恒例のように来るケースも多く、けっこうヒントが隠れているかもしれない。」旨の事を書いた。

果たして単純にエアコン一つ取っても富士通ゼネラルが前回コメント時に383円が本日高値474円と約24%高、ダイキンは同4,140円が本日4,950円とこちらも約20%高と日経平均が1,000円以上下げた悪地合いの中を健闘しているといえよう。

とは言っても商品もそうだがこうしてアノマリーが効く場合と全くフラれる場合とがあり、簡単には取らせてくれないのもまた相場か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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