344ページ目   雑記

投信純増と規制

本日の日経紙には、個人投資家の人気を集めてきたブラジル関連の投資信託の販売に急ブレーキがかかっている旨が載っていた。同国通貨の急落で基準価格の平均月間下落率は9月に15%、11月も7%に達したという。

思えば今から約一年前には当欄でこのブラジル関連投信について、「新興国モノでは投資家への情報伝達など一部乏しいだけに一般は常にこの辺に注意をはらう必要があろう。」としていたが、運用悪化と共に流出も増加しこれをコメントした時の純資産残高は前年同月比3倍近くにも膨らんでいたものだが、11月末のそれは13ヶ月ぶりの低水準になっているという。

また金融庁は昨日こうした高金利通貨で運用する投信の販売規制を発表しているが、この高金利新興国モノについても昨年、「〜これら多額の設定を見越し投機筋の買いが膨らむ行為も目立ち、欧州始め信用不安波及がどの程度になるか不透明な中、高リスク資産への投資資金の安全性は如何ほどだろうか。」と警鐘を鳴らしておいたが毎度の事ながら対応の遅さは否めない。

本来であれば投信など乗り換えを頻繁に勧める事例が増えているのが問題になり、証券取引等監視委員会が証券会社による投信の販売状況について立ち入り検査を通じ重点的に点検する方針を決めた段階と前後して、こうしたことも講じられるべきであったと思うが当の販売側も最後には割りを食うことになるワケでこの辺は何ともという感じだ。


技術と慢心

さて、先週は国際フォーラムで開催されたジム・ロジャーズ氏の講演会が盛況であった模様だが、先月は毛色こそ違うものの同じ米著名投資家のウォーレン・バフェット氏もまた来日していた。間接投資先企業の工場完成式典に出席するためのことであったが、ジム・ロジャーズ氏と違ってこちらの方は初来日。

その投資先企業とは超硬工具メーカーの「タンガロイ」。この企業、フジ系の「ほこ×たて対決」なる番組の(絶対穴の開かない金属)×(絶対穴を開けられるドリル)の戦いで東証二部の「日本タングステン」に屈辱の敗北をしてしまったのを見ていて改めて上場していた当時を思い出したものだが、こんなバラエティ番組では負けてもその技術は著名投資家に食指を動かさせるなどさすが日本の匠と一寸感心したものだ。

しかし日本の技術も長年そのものが各業界においてブランド化しており、その差別化において優位性を保持してきたものだがどうも昨今はこうした構図も通用しなくなりつつありその限界が露呈される例が既に散見される。まさにブランドの上に胡坐を書いている間にというパターンだが、なるほど単純に顧客が対価という触手を伸ばしてくれないことには話にならなく近年時価総額が急減した企業はこの辺を蔑ろにしてきたのは否めないだろう。

ウォーレン・バフェット氏は先の記者会見で「持続的に成長できて、競争力があり、欠かせない事業を持つ企業に投資する」としている。競争力という点ではかつてソニーを仰いでいたという米アップルなんぞは勝者だが、時価総額急減企業はオリンパス然りソニー然りその道で市場占有率が長年高く慢心から優位性崩壊の構図を想定し備える部分が甘かったといえ、他も今後はそうした部分が課題となってこようか。


セールでも食指が動かず

昨日の債券市場では長期金利指標の新発10年物国債利回りが1.065%まで上昇、日経紙などにも載っているように一部では国債先物の新システムが長期金利の上昇を招いたとの説も燻ぶっているが、やはり先のドイツ国債入札不調の余波がこの日本国債にも及んだとの見方も依然多い。

事実、ドイツ10年債券入札の札割れ翌日から連日上昇となっているワケだが、そういえばこの札割れも約35%に応札が無かったというからさすがにこれは酷い。安全?とされている同債がこんな需要不足に陥るのはユーロ導入以来ではないかとも思うが、それだけ今回のソブリンリスクは猛威を振るっているということだろうか。

どんな商品もそれなりのリスクがあるのは当然だが、理論的にはなかなか見られない現象が其処彼処で起きているのも今の特徴で、もっと狭義で見れば株式市場で値決め価格を大きく割り込む銘柄が続出、市場のPBRなんぞもこの世界で1倍ならまだしも0.5以下が大手でもゴロゴロしている。一寸探して見ても保有有価証券等が軽く本体を超える物もあり、ネットキャッシュを時価総額が大きく下回る企業が放置されている市場は不気味極まりない

ソブリンリスク問題も暁の時を迎えアンワイド化ではこんな現象も珍事として語られることになろうが、それが何時になるかは依然として不透明な環境である。


時間延長効果

さて周知の通り、今週は週明けから東証と大証が現物市場の株券と転換社債型新株引受権の前場の取引終了時間を30分延長している。もともとはゴールデンウィーク明けから実施される予定であったが、例の大震災の影響で電力供給の問題が発生したことで延期されていた経緯がある。

果たしてその効果だが、初日の東証一部の売買代金は7,557億円と今年2番目の低水準となった。まあ殆ど時間延長効果がないというより今月に入ってからはズルズルと売買代金の減少が著しいワケでこの辺はタイミングの問題か、それにしても順次国際標準に変貌を遂げつつあるもののこんな独自の事情もあって滑り出しは紆余曲折である。

もっとも、昼休み時間短縮は今回が初めてでないのは既に以前当欄でコメントしたことがあったが、同様に一昔前の前回の30分短縮でも売買高の増加は見られなかった経緯がある。当時とは違い先物とのアビトラの収益機会が増え、ボリューム増加を期待する向きもあるようだが上記の通りまだまだ未知数。

今回はどうかだが何度も書いているように現状イニシアチブを取れる参加者が不在な今のマーケットでは、結局国内市場が取引をしている時間帯で材料消化は為されず寄付で海外を織り込み、あとはボラの薄い中をどうでもよい国内要因を時価に反映させている日足がコマ連続の状況。こんな状況下では昼休み延長より寧ろ夜間延長の方が現状は効果があるのではないかという感じもするのだが。


再編第二弾までの道のり

さて、先週末の日経紙一面には「東証・大証2段階で再編」として合併比率が大証の時価総額1に対して東証の価値を1.7倍程度に評価と載っていた。その他についてもほぼ事前の観測に沿った内容ではあるものの、最後の焦点であった合併統合比率などより一層具体化してきたことで株価の方も再三の蒸し返しに反発となっていた。

ところで既に【FUTURES PRESS】でも載せている通り、末尾の方には商品取引所などが将来合流する可能性も考慮して持ち株会社の社名は「証券」の文字を入れない日本取引所グループとし、1〜2年程度をかけて両社がシステム統合などに取り組み4事業会社にグループ内を再編と出ている。ただ公取委の審査が長引く可能性も考慮し合併予定時期は当初より延長され今のところ再来年へ、そこから数年かけての再編であるから商取にとってはそれまで体力勝負となるか。

これに関してもともと大証と縁があって注目されている東工取は11年3月期まで単体で3期連続最終赤字を計上、4-9月期赤字脱却ともいわれているものの金への単品依存で厳しい環境には変わりがなく、ここでなんとかしたいのは周りばかりでなく当人も同じところ。ただ実際に東工取のシステムは2014年5月にライセンスが切れ、これまでのような牛歩でコトを運ばれたら可也厳しい状況ともいえる。

そんな折に世界最大のデリバティブ取引所のCMEグループが東工取に取引システムの開発で提携を申し入れていることが先週報道されている。現在世界の再編劇はスピード感をもって進行しており東工取のスタンスも微妙に、対抗案とも取れなくもないCMEの提案は現在進行形の国内再編に影響を与えることになるのかどうかこの辺も見守りたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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