386ページ目   雑記

追随と価値

昨日の日経紙視点面では、「価格競争、衣料品で突出」として1,000円切るジーンズがなぜ登場したかなど載っていた。確かに一部ネット証券の手数料引き下げ競争ではないが、今年に入ってからユニクロがこの1,000円を切るジーンズを打ち出してから、イオン、ダイエーが800円台を打ち出し、次に西友がそれ以下を、そして直近ではドン・キホーテが600円台を売り出し完売状態だとか。

衣料品でも日常性の高いカジュアルものだから別段値段が安かろうが特に違和感があるというものではないが、一方では人気の高いDIESELなど10万円程度の品もあるし、ドルガバの派手にクラッシュ加工させ彼方此方リペアだらけのジーンズなんぞは一本20万円近くするから、それこそこんな着潰しの一本といっても様々である。

まあこの辺はこんな不景気でもフェラーリなど今だ受注を多く抱え、過去最高の販売台数なのと一緒で其れなりの顧客層を抱えているから他人事だろうが、キツイのは今迄の定番クラスか。産経紙で見かけたがリーバイ・ストラウス・ジャパンは大きく売り上げが落ち込み、ジーンズメイトも黒字から赤字に下方修正、ボブソンがブランドを企業再生会社に譲渡するとか。

今迄当欄では様々な値下げ競争のシーンに触れてきたが今回はジーンズ、しかし先鞭をつけたユニクロ柳井氏の「追随企業は自分の首を絞める事になるのではないか。みんなが低価格に集中すると価値はなくなり、価値がないものは売れなくなる」との一言が実に印象的である。


ダブルスタンダード

CFD規制と共に週末に彼方此方で報道されていたのが、証券取引等監視委員会が仏系のBNPパリバ証券を行政処分するように金融庁に勧告したという件。同証券、ご存知破綻したあのアーバンコーポ株において確信犯的なディスクロで多くの投資家をトリックにかけたのは記憶に新しいところだが、同じ頃怪しい動きをしていたソフトバンクのインチキにも関与していたというのが明るみになってしまった。

同株に関してはオプション絡みなのか値が付いたら都合が悪いという事で、引け際に1,000万株以上の煽りを入れて比例配分不可の気配値終了操作をした模様。しかしこんな操作、ついこの間東京地検特捜部に逮捕された早大マネーゲーム愛好会の連中と同じではないかとも思ったが、それもそのはず当の彼らもそういえば「〜やってはいけない事だが、証券会社の人間とかいろんな人がやっている〜」と語っている。まあ、よく視ている点は感心すべきか。

ところで日経社説にも外資系も法令順守の徹底をとあったが、思うに利害関係があるにしても本当にこうした向きに対する態度の甘さこそ問題視すべきであろう。アーバンのディスクロでは投資家を欺いて何億円も吸い取ったわりに金融庁が納付命令課した課徴金なんぞは、それこそ個人がポケットマネーでポンと払える程度の金額であるからナメられるのも無理はない。

こうした外資の一部もリーマンよろしくこんな危ない橋を渡らざるを得ない背景には焦りその他いろいろ思いつく点あるが、上記勘案するに見せしめ的な利益の何倍もの罰金や無期業務停止などもにおわせて然るべきか。何かこう相手によってその対応が異なるアンフェアな部分が目に余るし、これではまだまだ国際標準に追いつくには時間がかかるというものだ。


今度は関西版

さて、一昨年にアジアで初の試みとなった「ミシュランガイド東京版」から二年、今週は明日の発売を前に星付けの発表があったりで一寸話題になっているのが「ミシュランガイド京都・大阪2010」である。

注目の星とやらは全部で計150店、うち三ツ星は京都中心にパリ、東京に次いで三番目に多いとか。一部おでんや串揚げ系もあり多彩な食文化を反映させる構成にしたようだが、春先頃に関係者が期待していた粉モノ系はその線引き加減がどうなのか不明ながら対象から外れている模様である。

さて三ツ星も場所柄当然というか和の一辺倒になったが、大御所の老舗が指定席の如く鎮座する様はまあやはりなという感あり、番狂わせでもあるとそれはそれで別な見方も台頭しただろうがいろいろ政治もあるのかなと。大阪の知人も言っていたが、あの吉兆にしても本家の流れを汲む?高麗橋が一つ星なのに対し、京都嵐山が三ツ星であったりとそうした部分にもこの辺が見え隠れする。

しかし、この京都・大阪版、昨年の今頃はこの関西版構想が「取材拒否店が続出し難航極めている、相容れない文化の存在が逆に安心感を齎す」と当欄でコメントしたが、マスコミの操作もあって要人コメントも二転三転な感あり。昨年は当欄でもちらりと様子を触れたように可也売れ残りが出たとも噂される同誌、さて毛色が変ったところで今回の食い付きは如何ほどか一寸気になる。


DC熱からはや二十年

本日は所用があって久し振りに青山のフロムファーストの方へ足を運んだ。常に涼感のあるギャルソン前を通り過ぎ、プラダの斬新なガラスのビルを横目にヨックモックのテラスなんぞを眺めながら進むと、あの「Yohji Yamamoto」のブティックが見えてくる。

ちょうど今は鮮やかな赤のコートを纏ったマネキンが目に眩しく飛び込んでくるが、直近の事なのでつい思い出したのが先週末に同社がなんと民事再生法の適用を申請したという衝撃的なニュースであった。

ついこの間まで開催されていた、10年春夏パリ・コレクションにおいても同ブランドの新作が注目などと報道されていたばかりだが、娘が展開する「LIMI feu」もそういえばたしかあり親子でエントリーしていただけに青天の霹靂であった。まあ、個人的には特に興味があるブランドでもなかったので袖を通した事は今迄一度もなかったが、それでも80年代の所謂DCブランド全盛期を通じてその名はもう周知の通りだろう。

しかしまあ、DCブランドなどと何十年かぶりの言葉を引っ張り出して使ってみると、いまだ鮮明に当時これらに熱を上げていた時期が思い出されるから懐かしいものだ。今、冷静に考えてみると当時丸井等に陣取り一括りに見ていたDCブランドも広く海外展開を図り国際的に知名度があったものはホンの数社だったなとつくづく、そんな生き残り?組の一つでもあった同社の破綻はファンでなくともなんとも寂しい感がある。


使える奴は何れ?

さて、某待合室に置いてあった日経ヴェリタスが目につき「会社の年齢」診断などパラパラと見ていたが、最後の方には若い世代の投資センスや技量を知りたいとの事で大学生の投資サークル対抗戦なるものが載っていた。

現金を一部温存しつつ何処も堅めな株式一辺倒というやはりストラテジーとしてはコンサバ系な印象であったが、唯一東大のグループだけは積極的に原油や金などコモディティーを交え他は新興国中心のETFに分散させるなど他とのテイストの違いが目立っていた。オリンピック開催地も未定であったものの、ボベスパのETFや金をチョイスする等なかなか楽しみな展開だが、さて3ヵ月後の成績は如何に。

株式でも小型モノばかりに傾斜したのは早大のグループであったが、同じ早大でもこんなマジメなサークルの対極でとうとう東京地検特捜部に逮捕されてしまったのが7月に一度取り上げた早大OBらのマネーゲーム愛好会。その資金力約40億円近くといい、一件数秒のスピード操作で纏まったロットを捌いていたというからたいしたものである。

コレと違うとはいえそういえばちょうどこのサークルが強制捜査を受けていた頃、GSが高性能コンピューターを駆使し0.03秒ほど早く得た市場情報をもとに巨額の利益を上げていた件も話題になっていたが、インサイダー含め善悪の境界線なんぞ本当に曖昧であるとも思うし、前述したように活躍のフィールドが変ればまた貴重な力となるのは否定出来ないところか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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