4ページ目   雑記

アメリカン・ジゴロ

先の日曜日の日経紙・TheSTYLEでは「アルマーニ氏を悼む」と題し、今月に逝去したイタリアのファッションデザイナー、ジョルジオ・アルマーニ氏の特集記事が載っていた。伊のファッション界ではジョルジオ・アルマーニとジャンニ・ヴェルサーチ、それにジャンフランコ・フェレの3名が「ミラノの3G」として君臨していたが、ヴェルサーチ氏は97年にショッキングな事件で逝去し、フェレ氏は2007年に病死、最後に残っていたのがアルマーニ氏であったがこれで“3G”は全てこの世を去ってしまった。

思えばアルマーニを知ったのはバブルが盛り上がって来た頃に見た映画「アメリカン・ジゴロ」から。あの頃は主演のリチャード・ギアが自室でアルマーニの服を鼻歌交じりにスタイリングするシーンを見て“私もいつかはアルマーニ”と皆が憧れを抱いたものだったが、男性のみならずこの頃には男女雇用機会均等法が施行され、女性も男性同様の地位を得られるとキャリア志向が強くなるのと並行してこのアルマーニを好むご婦人方が増殖したものだった。

アルマーニ氏が影響を受けたのはシャネルと聞いたことがあるが、なるほどシャネルは女性をコルセットから解放した事で有名で、アルマーニは従来のスーツには無かったやわらかい生地を用い芯地や肩パッドを外し身体に自由を与えたファッションはこの辺をオマージュしたともいえるか。同氏は衣服のみならず家具や化粧品、レストランに至るまで日本でも展開し故郷イタリア等ではホテルも展開するなどその名はライフスタイル全般に広がっている。

斯様に一代で築き上げたアルマーニ帝国だったが合従連衡が激しい業界にあっても巨大資本に入る事を拒み独立経営を貫いてきた同社も、報じられているところでは今後会社の株式を譲渡する候補としてあのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンはじめ他数社が挙がっておりIPOの可能性も排除しないという。同氏の旅立ちは単なる3Gの終焉でない規模だけに今後受け皿企業がどう動くのか、この辺からも目が離せない。


ポイントバーゲンセール化

周知のようにポイントを付与する仲介サイトを通じた自治体のふるさと納税の寄付募集が来月から禁止となることで、通常では年末に見られ光景である駆け込みが増加してきた。ポータルサイト各社もこれを最後の商機とみて、先月辺りから相次いでキャンペーンやPRイベントを打ち出すなどしており、残すところわずかとなった今月に入っても競争が激化している。

ザッと挙げても先月は「JRE MALL」が期間限定でJRE POINTを最大12.5%還元キャンペーンを展開、「ふるなび」はPayPay・Amazon・楽天・dポイント等と交換可能な(ふるなびコイン)を最大100%還元、今月は明日から月末まではふるなびWEEKで通常より寄付金額が安い返礼品がある。また「Yahoo!ふるさと納税」は先月に続く第2弾として抽選で付与されるポイントが今月末まで最大80%に拡大され、「さとふる」は今月末まで抽選で最大1000%付与(上限10万P)を展開している。

斯様な各社のキャンペーン効果でふるさと納税の比較サイトが今月アタマに発表した調査では、先月8月の寄付件数は前年同月比で1.35倍、寄付単価も1.37倍に伸びているという。ポイント廃止を控えての駆け込み需要が数字に表れた格好だが、今月も引き続き各社のキャンペーンやPR効果もあってこの先月の数字を更に上回る寄付件数が見込まれる可能性が高いか。

この数字的なものでは総務省が7月に発表した昨年のふるさと納税による寄付総額では、前年に続いて1兆円の大台を超えて5年連続でまたも過去最高を塗り替えている。またふるさと納税を利用した人数も1080万人とこちらも過去最高となっている。今回の駆け込み狂騒曲が終わった後の業界勢力図に変化は出てくるのか、また今後自治体に及ぼす影響は如何ほどになるかこの辺が興味深い。


基準地価2025

この時期恒例で日経紙第二部では今年の基準地価特集が折り込まれている。というわけで国土交通省がまとめた今年7月1日の土地取引の目安となる基準地価は、全国平均がプラス1.5%と昨年に続き上昇しこれで4年連続の上昇となった。用途別では住宅地がプラス1.0%、商業地がプラス2.8%といずれもバブル崩壊で下落した1991年以降で最大の上昇率となっている。

商業地上昇率トップでは昨年は台湾の半導体メーカーTSMCの工場進出で熊本県大津町であったが、今年も半導体絡みで次世代半導体の国産化を目指すラピダスが進出した北海道の千歳市がプラス31.4%でトップに躍り出た。同じく北海道では富良野市が住宅地の上昇率トップとなったが、こちらはインバウンド向けの別荘など住宅需要の増大が要因となっている。ちなみに全国最高地価地点は不動の「明治屋銀座ビル」となり、これで20年連続である。

都内の住宅地も港区赤坂1丁目では昨年比で15.6%上昇したが、インバウンド増加も密な関係で今年上半期の海外投資家による不動産への投資額は05年以降で最大となっている模様だ。円安や金利水準を背景とした“お買い得”感からその勢いは衰える気配を見せていないが、同じ港区の三田ガーデンヒルズなど外国勢力が暗躍し現在の価格は一昨年の分譲価格からはや約2倍に化けるなどしており、過度な投機には規制も検討すべき時に来ているのかもしれない。


デジャヴ感

衆院選、都議選、そして先の参院選と歴史的な3つの大敗でもなおこれまで続投の姿勢を崩さなかった石破首相だが、本日に予定されていた自民党総裁選を前倒しするかを判断する手続きギリギリのタイミングで自民党総裁を辞するとの表明をした。ちなみに次の総裁選にも出馬しない考えで、分断を避けるべく後進に道を譲る決断と聞こえはいいが政治空白が長引いた感は否めない。

一方でマーケットの方は自民党総裁選を巡る混乱がひとまず収束に向かった事や、次期政権が野党の協力を得る為に大規模な経済対策を打ち出すとの観測も高まり一気にリスクオンの流れから3日大幅続伸となった。個別でも双璧と言える次期首相候補で防衛力強化を訴える高市氏関連では三菱重工やIHIが大幅高、もう一人の小泉氏関連では同氏地盤で百貨店を展開するさいか屋が一時ストップ高まで買われる大幅高となっていた。

そういえば今回首相の説得に動いたのが菅副総裁小泉農相であったが、菅氏の時もやはり説得されての一転退陣表明だったなと。この時も日経平均は大幅に6日続伸し、TOPIXに至っては約31年ぶりの高値となったのが記憶に新しい。今回と併せてデジャヴ感だが、財政拡張への不安も一部出て超長期債は3日に付けた最高水準に並ぶなどしており後任候補の政策如何でまたこの辺にも注意が必要になろうか。


グミの日

さて本日9月3日は“グミの日”とか。グミといえばその市場が近年急拡大していると聞き及んでいるが既に販売金額は21年にはガムを抜いている。思えばガムを抜いたこの年はちょうど東京オリンピックで選手村のメインダイニングで餃子と並んでこのグミが大人気と彼方此方で取り上げられていたのを思い出すが、そういった背景もあってインバウンドの土産ニーズも高まっての数字か。

また今年上半期ではスーパーやコンビニなどのグミの販売金額が初めて飴の販売額を抜いている模様といい、昨年の市場規模は前年比17%増加の1138億円と初めて1000億円を突破し17年比でほぼ2倍になっているという。今年上半期でも665億円と昨年554億円だった上半期の数字を抜いてきており過去最高更新が既に既定路線になっている。主流の系統も今後は変化するだろうが世の嗜好の変化を感じる。

ところでグミといえば中には大麻由来成分のCBD等含有しているモノも一部流通しているが、直近ではサントリーHD会長が購入したCBD入りサプリに関して警察当局の捜査が入ったとして同氏が会長職を辞任した報が入っている。同氏はこのほか経団連と並んで経済三団体の一つ「経済同友会」の代表幹事も務めているだけに何ともショッキングなニュースだが、何が出てくるか分からない世の中になったものだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

12

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31