162ページ目   株式

似て異なる

さて今週の株式市場、商品市場は内外共に例の「サブプライム」問題が振り回した感があった。

しかしこのサブプライム、米ハーバード大が運営するハーバード・マネジメント基金が先月は約半分の資産を失ったり、今週に入ってからは全米10位のアメリカン・ホーム・モーゲージ・インベストメントが今年2番目となる大型破綻となったり、これらからヘッジファンドの巨額損失、清算が相次ぐ等信用収縮は尽きない。

これらを見ているとかつての日住金が紙屑になった破綻劇を思い出すが、米国の場合極端に天下りが居座っている訳でもなくまたジャブジャブと公的資金を注入する訳でもないわけで酷い状況は変わりないにしても未だ或る意味解り易いか。


梅雨明け相場

今月に入って漸く気象庁が梅雨明け発表したが平年に比べ12日、昨年に比べて2日遅く、関東の梅雨明けが8月にずれ込むのは1951年以降4回目とか。

まあ明けただけに連日の猛暑が続くが6/14に当欄で「入梅」としてコメントした際、「株式では海運が乱舞しているが猛暑関連のポストは恒例のように来るケースも多く、けっこうヒントが隠れているかもしれない。」旨の事を書いた。

果たして単純にエアコン一つ取っても富士通ゼネラルが前回コメント時に383円が本日高値474円と約24%高、ダイキンは同4,140円が本日4,950円とこちらも約20%高と日経平均が1,000円以上下げた悪地合いの中を健闘しているといえよう。

とは言っても商品もそうだがこうしてアノマリーが効く場合と全くフラれる場合とがあり、簡単には取らせてくれないのもまた相場か。


線引き政策

さて昨日記と些か被ってしまうが、週末に出揃った消費者金融大手の平成19年4〜6月期連結決算は融資審査の厳格化から各社共に貸付残高が減少、営業収益が前年同期に比べ減収となっていた。

この貸し出しについては今後も縮小傾向が続くと見られ、本業の融資以外に新たな事業分野の開拓を強いられるのは必至であるが、実に審査が厳格化され営業が停滞してしまった今の商品業界と同様な過渡期ではないか。

ここ最近急落の憂き目に遭った日経平均の影響もあるが先週の月替わりには商品取引員株は全面安、消費者金融株も年初来安値が散見され、余談ながらこの両方に手を出したグローバリーはもう存在しない。

さて証券の世界でさえ金融商品取引法から高齢者を線引きしようという気運が出てきているが、こうした理解に苦しむ一律適用もやはり“浄化”の為には致し方無い事なのだろうか。


行動ファイナンス理論

さて先週は与党劣勢見通しがいわれていた参議院選挙を控えてその後の為替や株式の見通しが彼方此方で喧伝されていたが、大和総研調査ではここ数年の参院選投票日後の株価推移を調べたところ、与党の勝敗と株価に明確な関係は無いとしている。

そういえばこの手の同社レポートにはユニークな物が目立ち、例を挙げれば「ドリカム人気がアップすれば株価上昇」、「TDL入場者数増なら株価上昇」、また下落の方では「サザエさんの視聴率上昇では株価下落」、「宝くじ人気下では株価下落」、「英会話学校とフィットネスクラブ比較で前者の割合が増えれば株価下落」等々夫々に詳細理由があるから面白い。

そういえば昨年の今頃には「結婚/離婚レシオは株価に先行」なるレポートが出ていたが、しかしその視点にはある意味感心する。


苦肉投信上場

さて昨日のNYでは金が6週間ぶりの高値に急伸となったが、ドル軟化やサブプライムローン市場を巡る懸念材料以外にも大証が金価格連動のETFを来月上場するとの報も強材料視された模様だ。

この報は奇しくも金ミニ取引の開始日に発表されちなみに管理・運営は野村アセットマネジメントとなっているが、交換不可能な点など我々の思い浮かべる金ETFとはニュアンスが若干異なるような気もする。

コモディティーワラント等の組成にはリンク債を立てるがこれを有価証券として組み込むというような、所謂「法律上NGの部分に抵触しないよう取り敢えず初モノとして出します」的にも思えるのだが、先ずはこのペーパーにどの程度引き合いがあるか注目か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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