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大発会2025

皆様、あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願いいたします


本年最初の取引となる東京株式市場の大発会は500円超の大幅続落のスタートとなったが、大発会の下落はこれで3年連続となった。昨年の株式市場をザッと振り返ってみると「辰巳天井」の通り2月には早々にバブル絶頂期に付けた史上最高値を34年ぶりに更新、翌3月には初めて4万円台の大台をも突破し更に7月には42000円超の史上最高値を記録した。

今年の「乙巳(きのと み)」は西暦の末尾が5の年となり年の前半が冴えないとの指摘も一部にあるが、戦後6回あった巳年の株式市場の勝敗は4勝2敗となっている。兜町の相場格言では引き続き株高がこの年にピークアウトする事を意味するが、過去の巳年ではかつて日経平均の史上最高値を付けた忘れもしない1989年があり、これがその後34年間抜けない大天井を形成することとなった。

ちなみに過去の辰年の日経平均の年間騰落率はプラス26.9%、2024年の大発会値にこの上昇率を当て嵌めてみると42242円と7月11日に付けた史上最高値42224円とほぼ近似値になる。たまたまにしても実にドンピシャな数字となるが、同じように巳年の年間騰落率であるプラス13.4%を今年の大発会値から当て嵌めてみると44574円となる。

そうなれば昨年の上昇の勢いほどではないにしろ曲がりなりにも史上最高値を更新し相場格言通りの「辰巳天井」が具現化することになるがさてどういった展開になるか。予測不能なトランプ政権が始まるだけに、一括りのアノマリーとして済ませるには無視出来ない経験則として存在する十二支の相場格言も今年は頭の片隅に置いて相場に臨みたいところ。


量から質への転換

さて、東京証券取引所の主要3市場に上場する企業数が2024年末時点で計3842社となり、前年度末から1社減る見通しであることが先週末に報じられている。上場企業数減少は大阪証券取引所の現物株取引が東証に統合された13年以降で初めてというが、この辺に絡んではちょうど1週間前の日経紙でも上場廃止する企業が今年は前年比33社増えて94社となる予定との記事が一面を飾っていた。

株式持ち合いが減少傾向にあり同意なき買収が成立し易くなっていることなどで企業買収が活発化し、経営の自由度を高めるためのMBOも増えている事などが背景にあるがMBOに関しては先月も当欄で取り上げた通り。東証が企業に対し資本コストや株価を意識した経営を求めている結果でもありその対応状況を開示するよう要請しているが、プライム市場の開示企業は先月末時点で約9割に達するなどこの1年で8割以上も増加している。

とはいえ取り組みの内容だけを並べる開示にとどまっているケースも多く、東証は先月に開示内容の質の向上を促す為「投資家の目線とギャップのある事例」を公表している。株価も正直なもので単に開示が進展するだけで上昇という局面は既に終わっており、具体性のない取り組みのみで定量的な説明が無いものは将来の企業価値判断にどのように寄与するのか判断が出来ないという点から一歩踏み込んだものだろう。

TOPIXにおいても今後は3市場を対象に入れ替え制が導入され、見直しに向けた判定として先ず来年2025年3月末に浮動株式数判定が控える。企業によっては政策保有株のような固定株売却等の動きが一層促進されるなどコーポレートアクションも出て来ようが、斯様に量から質への舵切りが鮮明になってきた事で米欧との比較で見劣り感の強かった新陳代謝も昨日書いたような上場銘柄の淘汰等も含め今後より一層促進されるか。


キオクシア上場 

本日は年内最後の大型案件となる半導体メモリー大手のキオクシアHDが東証プライム市場にはれて上場のはこびとなった。注目の初値は公開価格の1455円を1.03%下回る1440円となったが、あと切り返しを見せ大引は公開価格を10%上回る1601円となった。当初は上場時の時価総額目標を1兆5000億円と想定していたものだが、大引ベースで8630億円となった。

ところでこのキオクシア、東芝メモリと呼ぶ方が馴染みがあるがこの規模だけあってプライム市場ではあるが同市場の上場維持基準の流通株式比率は35%と定められているものの大型特例により現状の比率は28%にとどまる。今後は同比率の引き上げ等も課題になってくるが、舞台がセカンダリーに移行した後は大量の新株予約券付社債を保有し昨年の米WD社のメモリー事業統合交渉で反対姿勢を示した韓国のSKハイニックスの動きも気になる。

度重なる上場延期で煮え湯を飲まされた彼らの思惑如何にというところだが、彼らが新株予約券を株式に転換すれば約14%を出資する大株主として浮上する事になり、更なる出資状況によっては経営に関与してくる可能性が出てくるのかも気になるところでもあり今後も引き続きこの辺の動向には注視しておきたい。


身近になる各種原資産

本日の日経平均は日米中銀のイベント控えで様子見姿勢が強まるなか小幅に続落となったが、先週はETF市場にみずほフィナンシャルグループの資産運用会社アセットマネジメントOneの「One ETF FTSE・サウジアラビア・インデックス」が上場している。既にサウジ株ETFではSBIアセットマネジメントが昨年10月に「SBIサウジアラビア株式上場投信」を上場させているが、サウジビジョン2030を見据え外国からの投資を誘致する動きが活発化している。

新規上場したETFは任天堂などIPビジネスを手掛ける多くの日本企業の大株主にもなっているサウジ政府系ファンドのPIFと手を組んでいるが、これまで日本の個人が投資し難かった市場への選択肢が増える。しかし近年のETFといえば斯様に直接投資するのが難しい原資産へのアクセスがますます容易になってきている感があるが、今年ビットコインETFが承認された米ではそのラインナップも多彩だ。

上記のビットコインに見られる通り今年は株式以外のコモディティなどの資産の動きでも目を惹くモノがあったが、2023年末比で上昇率トップ10に入ってきているものでも変わり種ではウラン等がある。AIデータセンター増設によって電力需要が拡大するなかクリーンで安定的な燃料源である同価格の上昇は顕著だが、このウランもETF(URA)があり代替投資として注目されている。

この手では他にも当欄で昨年10月に取り上げた期限が1日のゼロデーオプションなどを組み入れたカバード・コール型のETFや、リクイディティーの低い数百の融資債権に分散投資するETFなども高い利回りを求め資金流入が加速している模様だが、こうした新商品が続々投入されるのを見るに返す返すも資産運用立国実現を謳いながらも腰の重さが目立つ日本のラインナップがもどかしく感じるというものだ。


私鉄統合思惑再燃

本日の日経紙投資面には「物静かな株主対話動く」と題し、アクティビストが台頭する一方で信託銀行や地方銀行の存在感が低下している旨が出ていたが、冒頭では昨日の株式市場で旧村上ファンド系投資会社が株式を買い増しているとの観測報道が背景となって突飛高を演じた京成電鉄と京浜急行電鉄が取り上げられていた。

村上ファンドに鉄道株といえば同頁にも出ていたが2006年の阪急・阪神経営統合が記憶に新しい。当時同ファンドは最終的に阪神電鉄株を実に5割近くまで買い進んだものの、例の村上ファンド事件も絡むなか阪急ホールディングスのTOBに応じ両社は株式交換を行い経営統合型の私鉄の再編劇が為されてこの件は幕を閉じた経緯がある。

本日の市場では京浜急行電鉄が反落する一方で京成電鉄は続伸となっていたが、この京成電鉄は当欄でも取り上げたことのあるように持ち分適用のOLCの時価総額が10倍近くにもなる資本捻れが顕著で、既にこの辺に目を付けられ英投資ファンドに一部株を握られている。本日はOLCの実施する自社株買いに応募した報道があったが、なお出資比率は20%を超えファンド側が求めている水準を上回る。

仕手株のような上昇軌道を描いた当時の阪神電鉄のような派手さこそないもののにわかに再燃した令和の私鉄再編劇思惑だが、資本効率等に関して具体的な発信力の無い企業にはアクティビストが虎視眈々と狙い隙をついて群がるマーケットになって来た今、私鉄に限らずビッグバンに繋がる構図も多いだけに企業側の資本政策が一層問われることになりそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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