11ページ目   外国為替

次期ターゲット

さて度々世間で話題に上っていたFX取引の申告漏れ関係だが、各紙報道の通り今年6月までに個人投資家が指摘されたものは総額224億円に上ったらしい。

この辺については5月に「其れなりにターゲットを絞り込んだ背景があったようだ」と書いた事があったが急成長分野だけに真っ先に目が行くのは自然な成り行き、不穏な動きを察知し逸早く手を売った向き以外は泣く泣くの追徴税捻出の憂き目に遭う。

また一方で株式や投資信託等による所得申告漏れも昨年より増加していた模様だがFXに関してはやはり当局のハッキリとしない対応の中で税制面の整備が望まれるところ、現行のままなら取引所取引においても商品設計等再考の余地もあるのではないか。


褪せない誘惑

週末にCFTCから発表されたNYMEX先物の取組状況では最高値を連日更新していた原油のネットロングが増加していたが、他にもIMM通貨先物の取組状況で先週1976年以来初めて米ドルと等価に上昇した加ドルもネットロングが過去最高水準に増加していた模様。

この通貨部門では前週買い越しであった円が売り越しに転じた模様だが、各国の政策によるディスカウントの縮小でも金利差の旨みが忘れられないのか個人勢はやはり過去のパターン同様にショートに偏向気味。

本体そのもののボラティリティーは個別株式とは確かに相違するものの、よく比較される信用とはレバレッジも違いその規模もそこそこになって来ているだけに8月のような急変の再来があった場合の学習効果が試されるところか。


デスク

周知の通りFRBがFOMCにてFF金利誘導目標を0.5%引き下げ、公定歩合も0.5%引き下げを決定と市場が望むコンセンサスに沿う形となった事が好感され、昨日の急落が嘘のように日経平均は5年半ぶりの上げ幅を見せ急騰した。

一様にどれも高いので目立たないが6月に新規上場の際一度触れたマネパは業績再増額を好感しほぼ終日ストップ高に張り付く展開、この全面高下でもあまり派手に上昇しなかった取引員株とは明暗を分けた。

相場業界では一様にサブプライムローンショックで痛手を被りこのFX業界も例外ではなかったが、やはりリクイディティのあるところはデスクの部分で取れる構造上の旨みは大きく、同業でも手数料で喰おうという向きはますます逆行が鮮明になって来た感がある。


一本化の遠い道のり

「FOREX PRESS」でも既報の通り昨日はイーバンク銀行がFX業務に進出するとの発表がなされていたが、ネット専業銀行では昨年のジャパンネット銀行に継ぐ参入となる。

同社は東京金融先物取引所の「クリック365」を取り扱う予定としているが、依然として同取引と店頭取引とでは当局の対応が不透明な中を税制面で様々な物議が醸し出されている。

こうした部分に加えてコストの整備や商品設計との間に調整がつかない様は正に日本独特の奇異さを象徴しているが、これに限らず他商品関係も似たような物で目に見えない壁は多数、先行きの政策に含みを持たせているのか否か当局の不透明な言動は続く。


煽りから見るピーク

本日開いた金融政策決定会合で日銀は大方の見方通り利上げを見送り現状維持とする事を決定したが、これらや株高を一部織込む形で円は対ドルやユーロで大幅続落となっていた。

しかし為替といえば一時的かどうか落ち着きを取り戻した感のある同マーケット、先週は対主要通貨で一気に昨年来の急激な円高となり凄まじい嵐であったわけだが、今月上旬には英の「タイムズ」紙が「キモノ・トレーダーズ」のタイトルでFX取引に熱を上げる日本女性を特集記事で組んでいたのを思い出す。

事実先月には金利先物取引よりFX取引の売買枚数が上回り個人が半ばプロ化している実態が明らかになったが、CMEあたりの残高と比較してみるとそのピークがずれている分安易なFX熱がこの巻き戻しに大きく寄与したのは明白。

しかし上記の記事や雑誌の特集、末端では笑えるほど低俗なレポートの勧誘文を謳ったメルマガ等で、その煽りも目障りになって来たところが目先のピークというアノマリーだけは健在だなといつもながら想う次第。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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