年金の定期健診
先週は老後の生活資金となる「公的年金」の長期的な見通しを5年に1度資産する「財政検証」の結果が公表されている。法律では所得代替率が50%を下回らないようにすることが約束されているが、過去30年と同程度の経済状況が続いた場合で現役世代の平均収入の50%以上は維持出来るとしているものの、その給付は現在よい2割近く目減りする。
そういった事も視野に年金改革案では基礎年金の拠出機関の現行の40年から45年へと5年延長案もあったものの、ただでさえ若年層中心に将来の年金への不振が強いなかこれらの負担増への反発も強く現状では広く国民の理解を得られないと判断し厚労省は見送りを決定している。
そんななか直近ではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の2023年度の運用実績で収益率が22.67%プラスの45兆4153億円の黒字となり、過去最高を更新した旨が報じられている。本日もTOPIXはザラバで史上最高値を更新しているが、これらに連動するインデックス運用ではこうした株価上昇は追い風で将来の年金支払いをより確実なものにする安心感も生まれるか。
とはいえ公的年金の給付水準は徐々に下がってゆくのが予想されることで老後の備えを少しでも増やす工夫も各々では必要になってくると思われるが、新NISAと並び自分で掛け金を出すiDeCo・イデコなど税制優遇を受けられるものも啓蒙効果で今では認知度も高まり、政府側もこれら利用促進のため更なる優遇措置を考えておりこれら活用を駆使するのも一考か。