6ページ目   雑記

コメも関連株も

本日の日経平均は前場に1100円超の下げを演じるなど5日続落、約1か月ぶりに35000円台示現からプライム市場の9割以上の銘柄が下げる大幅続落となったが、そんな中でも急反発して年初来高値を更新するなど気を吐き目立っていたのがサトウ食品株か。ご存じ“サトウのごはん”だが、昨今のコメ不足が材料視されてここ物色が続いている。

そうなると他のコメ関連株もまた然りで、プライム市場上場のコメ卸し販売大手ヤマタネも先週の年初来高値更新の勢いを継続させて本日も続伸、大手米穀卸の木徳神糧も本日続伸と日経平均とは逆行する動きを演じていた。こういったところは株主優待でコメを配布している向きもあるが、こんなにコメが店頭から消えるなら優待品を要らないと人に配らず少しは残しておけばよかったとつくづく。

そういえば、約一ヵ月ほど前の当欄でコメ指数上場について触れた時は近所のスーパーで「購入は一人一点でお願いします」との張り紙はあったものの、棚には十分な量の様々な銘柄のコメが陳列してあったが、先月末あたりからは棚が空っぽの状態が続いている。優待は時期が限られるという事で、ならばとふるさと納税を狙う向きも多いのか大手の仲介サイトでもコメの寄付件数が前年同期比で軒並み倍増している模様だ。

しかし新米が出回り始めたこの時期、当の農家側と店頭との温度差とを感じざるを得ない。結局はコロナ禍が始まった頃にマスクが消えた現象と構図は同じなのだろう、あの時はトイレットペーパーまで店頭から消えたが、どれもあるうちに買っておかねばもう二度と買えないというパニック購買に因るところが大きいか。品薄連鎖が収束を迎えるか否かは消費者の行動如何ともいえようが、ECサイト等で法外な値段のコメに売り切れの札が並んでいるのを見るとこれも望めないか。


悪魔の果物>ロブスタ

暑い日が続くなか手軽に缶コーヒーを手に取る機会も多くなっているが、この缶コーヒー等によく使われるイメージのあるコーヒー豆がロブスタ種か。このロブスタ種といえば昨日の日経紙グロース市場面にて「ロブスタ種、初の5000ドル台」と題し、指標のロンドン市場で中心限月が先月末に初の5000ドル台を突破した旨が描かれていた。

ところでこのロブスタ種、かつては日本でも東京穀物商品取引所でアラビカ種と共に先物が上場されていたのが懐かしく、上場廃止からはや10年以上経つのかとしみじみする。それはともかく、こうした高騰の背景には産地ベトナムの異常天候による生産量減少が響いている模様だ。ベトナムといえば世界2位のコーヒー豆生産国だが、ロブスタ種に限れば世界1位の生産国である。

同紙では加えてドリアンへの転作が増えている旨も書かれてあったが、ドリアンは近年特に中国で人気となっておりこの影響は大きい。“悪魔の果物”は私も好きだが、コーヒー需給に影響が出るのは何とももどかしい。さてロブスタ種はそういった現状だが、もう一つのアラビカ種も温暖化の影響により2050年にはコーヒー栽培に適した所謂コーヒーベルトの土地が半減するともいわれているだけに、引き続き今後の価格動向を注視しておきたい。


再生エネの建前

昨日の日経紙ビジネス面では「化石燃料投資2倍に」と題し、東証プライム市場上場の石油資源開発が原油市況の安定やEV(電気自動車)の勢い鈍化で従来予想より底堅い需要が見込めるとの判断から、2030年までに化石燃料開発で当初計画の2倍となる4000億円を投じるとの記事があった。

また31年3月期までの経営計画で再生エネルギーに900億円を投資するとしていたが、この再生エネルギーの開発に関しては規模を縮小するなど一旦距離を置く方針。脱炭素社会を実現するには再生エネルギーが不可欠なのは言うまでもないが、これまでも書いてきたように運用成績悪化やグリーンウォシュ等の問題もあり足元ではESG投資は減速してきておりこの辺も影響しているか。

そういった事で再生エネルギーの採算悪化で欧米メジャーも化石燃料に傾斜しているなか、かつてパリ協定から離脱したトランプ氏も再選されれば化石燃料を拡大させると鼻息が荒い。かつてのような機運の盛り上がりが再びあるか否かだが、当面は本業回帰の化石燃料で収益を稼ぐ足場固めの動きが続くなか、エネルギー需要の変化に合せ計画を見直す企業は今後も増えてくるのは想像に難くないか。


5か月ぶり1000品目超え

はや台風の季節、長月となったがそんな秋も値上げは続く。恒例の主要な食品メーカー195社における今月の飲食品値上げは帝国データバンクによれば1392品目を数え、5か月ぶりに1000品目を超えている。アイス・氷菓類が1年ぶりに一斉値上げとなったほか、引き続きのチョコレートや冷凍食品などまとまった量の値上げが相次ぎ、年内の値上げとしては4番目の多さとなった模様。

個別では明治が人気の高いエッセルスーパーカップなど5~11%、チョコレート関連ではきのこの山・たけのこの里等を6~31%値上げする。そういえば今月は味の素AGFも家庭用コーヒー116品目を、ネスレ日本やUCC上島珈琲もボトルコーヒーを値上げするが、カカオ豆同様にコーヒー豆もロブスタ種など年初から5割以上の上昇を演じているのが背景にありこちらも先行きが懸念されるところだ。

食品値上げに対し購入点数の減少や買い控えといった値上げ疲れの消費行動が続き食品スーパーなどの現場からは食品に対する値下げ圧力が強まりつつある模様だが、大手のイオンなどは先月末まで支持の高い商品を中心に67品目の値下げを実施、他の大手どころも独自のセール等を開催するなど対抗策も目立ってきた。来月は更に2000品目を突破し2500品目に迫る模様だが、引き続き今後も各社の物価高に対する対抗戦略が注目される。


夏なのにおせち? 

先週末の日経紙夕刊の総合面では米商戦に関して「夏なのにハロウィーン」と題し、スタバやダンキンドーナツでパンプキンなど秋商品が最速で投入されたり、ディズニーランドでも過去最速でハロウィーンなど秋の行事が開始されるなど、価格競争が増すなか固定客が見込め値引きも少ない季節商品の販売期間を延ばし収益安定につなげる狙いで秋商戦の前倒しが相次いでいる旨の記事があった。

ところで商戦の前倒しといえば日本では「お節」の受付も早期からの需要取り込み狙いで年々早くなってきているような気がする。実際に昨日はこの猛暑真っただ中ではやくも高島屋からおせちの受付案内が来ていたが、百貨店以外ではイオンもまた昨年と比べ約1か月の前倒しで既に今月アタマから予約受付を開始している。

今年は物価の上昇が続き節約志向の高まるなか、コスパ重視のお節を用意している向きもあれば上記の高島屋などは輪島塗のお重に吉兆の料理を詰め込んだ66万円という振り切った価格もお披露目されるなど二極化も感じられる。個人的にはあまりおせちに興味は無いが同市場は新規参入や新商品開発等が需要を掘り起こしその市場規模は拡大しているという。

そういったことでECサイト勢の一部は上記の大手百貨店やスーパーなどより更に早い7月から受付を開始している向きもあるが、「お節」に限らずその前のクリスマスケーキにしても商戦時期は年々早まっている。クリスマスで思い浮かんだが、そのうちバブル期のイヴの赤プリの予約(解る人にはわかる)よろしく1月中に次年度のおせち予約まで始まるのではとさえ思ってしまうが、いずれにせよ需要獲得競争から斯様な早期予約は慣習にもなりつつある。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2024

11

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30